15年度のミネラルウォーター市場規模は前年度比7.2%増の2,860億円の見込み

2016年04月06日 08:16

画・日本発ウルトラファインバブルの可能性と課題

矢野経済研究所は国内のミネラルウォーター市場及び宅配水市場の調査を実施した

 矢野経済研究所は国内のミネラルウォーター市場及び宅配水市場の調査を実施した。調査期間は2015年12月~2016年2月、調査対象は飲料メーカー、宅配水製造企業等。調査方法は同社専門研究員による直接面談、電話によるヒアリング、ならびにアンケート調査を併用した。

 それによると、2014年度のミネラルウォーター市場規模(メーカー出荷金額ベース)は前年度比101.8%の2,668億円となり、2015年度は同107.2%の2,860億円の見込みで、好調な推移を見せているという。

 2011年度以降、5年連続で拡大するミネラルウォーター市場だが、近年の拡大はフレーバーウォーターなど派生商品が大きく寄与し、ノンフレーバーのミネラルウォーターのみでは市場はほぼ横ばいとみられるとしている。上位メーカーの国産ブランドを中心に売り上げを大きく伸ばしたことで、ミネラルウォーターにおける上位寡占はますます進んでいる。上位ブランドのフレーバーウォーターの新商品がヒットしたことで、さらに市場が活性化しているとしている。

 また、ミネラルウォーター市場には、「低価格販売」と「差別化の難しさ」という大きな問題が現在も継続して存在するという。ミネラルウォーターは、価格訴求が消費者の購買意欲を最も喚起するといった側面が強く出る傾向にあり、価格是正に向けた動きは見られるものの、本格的な是正には至っていない。

 基本的に無味無臭な「水」に特徴付けを行うために、環境面を訴求する動きが目立つが、各社横並びとなってきている。近年はミネラルウォーターの「自然」、「健康」イメージに味覚的特長をつけるべく、フレーバーウォーターやスパークリングウォーターの販売が増えている。

 市場は、震災をきっかけに「水」の持つ本質的な価値が再認識され、一番身近な「水」という商材は生活の根底にあるものとして、今後も底固い需要に支えられるものと考えるとしている。また、成長を牽引したフレーバーウォーター、スパークリングウォーターについては、先行企業の成功事例を見て、各社とも検討材料の一つとして捉えているとみられ、新商品の上市は増えるものと考えるとした。

 2014年度の宅配水市場規模(エンドユーザー販売金額ベース)は前年度比 105.3%の1,086億円で、2015年度は同104.5%の1,135億円の見込みと、拡大を維持している。一方で、新規顧客獲得ペースが減少していることで伸長率は鈍化しており、以前ほどの勢いは見られなくなっている。これまでは参入企業各社が概ね順調に顧客件数、販売本数を増やしていたものの、企業によっては横ばいまたは微減で推移しているところもあるとしている。(編集担当:慶尾六郎)