2015年4月から2016年3月までのいわゆる2015年度日本国内の新車販売概要が明らかになった。軽自動車を含めた乗用車のナンバーワンは、トヨタのハイブリッド車(HV)専用モデルの「アクア」だ。年度販売台数19万2399台(前年比84.2%)だった。2013年度から3年連続の乗用車トップである。ただし、今年に入ってからトヨタ・プリウスが圧倒的に売上を伸ばしており、2016年度はプリウスがV復活を果たしそうだ。
以下、続くのは、2位に軽自動車のハイト系ワゴンであるホンダN-BOXの18万8922台(同91.4%)、3位にトヨタにHV専用車であるプリウスの15万5950台(同100.9%)、軽自動車ワゴン系のダイハツ・タントは4位で15万5768台(同72.5%)、5位も軽自動車ワゴン系の日産デイズで14万0413台(同83.8%)だった。軽自動車ホンダN-BOXは、2013年にも軽自動車年度販売でトップとなっていた。
こうしてみると、軽自動車失速が伝えられるなかで、ベスト5に3車種を並べた軽自動車の堅調な売上が目立つ。軽自動車を除くとベスト5販売モデルは、トヨタ製HVに市場は席巻されている。
5位以下を見ても、6位にホンダ・フィット11万2007台(同67.3%)、7位がトヨタ・カローラ10万8392台(同107.5%)、8位にスズキ・アルトの10万6852台(同91.3%)、9位にスズキ・ワゴンRで10万0461台(同64.2%)となり、ここまでがブランド別10万台超えの車種となる。ちなみに、ベスト10に入った最後のクルマは、ダイハツ・ムーヴで9万3212台(同73.4%)だった。
こうして改めて乗用車ベスト10の売れ筋を見ると、登録車4車種はハイブリッド車(HV)か、そのラインアップにHVを持つモデルであり、残る6モデルはすべて軽自動車のハイト系ワゴン車だ。20位までみても同じようなことで、軽自動車と登録車が10車種ずつと、人気を分け合い、登録車でHVを持たない車種は、国産コンパクトを代表するトヨタ・ヴィッツと日産ノート、マツダ・デミオだけをいう結果である。
ベスト20車種を概観すると、昨年度に続いてクロスオーバーSUVトップとなったホンダ・ヴェゼル、ミニバンのトップはトヨタ・ヴォクシーであり、これら車種もHVをラインアップする。
一覧表にはあらわれないが、国産乗用車で驚異的な登録台数を誇るクルマが存在する。トヨタの5ナンバーミニバン3兄弟で、トヨタ・ヴォクシー(9万2509台)を筆頭に、エスクァイア(5万5774台)、ノア(5万0426台)で、合計19万8709台と乗用車トップに躍り出る。
輸入車の統計結果は、項を改めるが、輸入車トップブランドは、ディーゼル排気ガス問題で失速したフォルクスワーゲン(VW)を抜いたメルセデス・ベンツ(6万3999台/前年比103.5%)が、2位VW(5万0332台/同80.6%)に1万台以上の差を付けてトップとなった。(編集担当:吉田恒)