【MotoGP第4戦スペインGP】V・ロッシがポール・トゥ・ウィンで今季初優勝

2016年04月25日 10:18

スペインGP2016

ホールショットを決めたV・ロッシ

 4月24日、MotoGPスペインGP決勝が行われた。ヨーロッパラウンドの初戦となる今回のレースの舞台となったのはスペイン南部に位置するヘレス・サーキット。全長4,423m、曲がりくねった中低速コーナーがレイアウトされたこのサーキットは抜きどころも多く、熱狂的なファンが多く詰めかけることで有名な人気サーキットでもある。

 当日の天気は晴れ。気温25℃、路面温度40℃のドライコンディションで決勝はスタートした。抜群のスタートを切ってホールショットを決めたのは、予選で一番時計を叩き出したバレンティーノ・ロッシ(モビスターヤマハMotoGP)。これに2番グリッドスタートのホルヘ・ロレンソ(モビスターヤマハMotoGP)、3番グリッドスタートのマルク・マルケス(レプソルホンダ)と続いた。

 レース序盤はやや混戦模様で、7番グリッドスタートのダニ・ペドロサ(レプソルホンダ)がM・マルケスを交わして一時3番手に浮上したものの、2周目にはM・マルケスがD・ペドロサを抜き返し3番手を奪取。また2番手につけたJ・ロレンソが先頭を窺うような場面もあったが、V・ロッシがきっちり抑えて先頭を譲らず、そのままレースを引っ張った。

 今回のレースはかなり早い時点で体勢が決まった。レース序盤でV・ロッシ、J・ロレンソ、M・マルケスの3人が先頭集団として頭一つ抜け出し、V・ロッシはじわじわと2番手のJ・ロレンソとの差を広げて7周目には突き放しにかかった。これによってV・ロッシは独走状態に、J・ロレンソとM・マルケスの2番手争いは一時激化したものの、レース中盤にはJ・ロレンソとM・マルケスの差も開き、上位3選手が単独走行となった。

 レース後半、残り10周というところで先頭を行くV・ロッシと2番手のJ・ロレンソとの差がやや縮まったものの、終盤には再びその差が開き、2位のJ・ロレンソに2.386秒の差をつけてV・ロッシがポール・トゥ・ウィンで今季初の優勝を手にした。

 3位はM・マルケス、4位はD・ペドロサ、5位はアレイシ・エスパロガロ(チームスズキエクスター)、6位はマーベリック・ビニャーレス(チームスズキエクスター)。

 また、4番グリッドスタートのアンドレア・ドビツィオーゾ(ドゥカティ)は10周目にマシントラブルが発生し、リタイアを余儀なくされた。

 V・ロッシが安定した走りを見せ優勝したことで、チャンピオンシップ争いはますます熱くなってきた。ポイントリーダーは開幕戦から4戦連続表彰台のM・マルケス(82ポイント)だが、今回ヤマハがワンツーフィニッシュを決めたことで、J・ロレンソ(65ポイント)は17ポイント差、3位のV・ロッシ(58ポイント)は24ポイント差とその差を大きく縮めてM・マルケスを射程圏内に捉えた。

 前戦アメリカズGPでは転倒・リタイアを喫したV・ロッシだったが、今回のスペインGPでは圧倒的な安定感を見せる独走でポール・トゥ・ウィンを決め、昨シーズンからの好調ぶりを維持していることを窺わせた。J・ロレンソ、M・マルケスも今季序盤は好調のため、今年は三つ巴の展開となりそうだ。

 また、スペインGPでは5位・6位にスズキが入っており、その躍進も期待できる。ドゥカティ勢はA・ドビツィオーゾがリタイア、アンドレア・イアンノーネが7位と今回はやや奮わなかったが、ストレートの短いヘレス・サーキットではドゥカティの最大の武器であるストレートスピードは生かせない。高速サーキットでのストレートでの速さは折り紙付きのドゥカティが今後のレースの展開を大きく左右する可能性もまだまだある。

 ヨーロッパラウンドに入り、ますます盛り上がりを見せるMotoGP、次の舞台となるのはフランス、ル・マンのブガッティ・サーキット。5月8日に行われる決勝では果たしてどんなレースが展開されるのか、今から楽しみである。

 また、J・ロレンソは来季、モビスターヤマハMotoGPからドゥカティへ移籍することを発表した。これによって現在のチーム編成が大きく変わることとなる。J・ロレンソの後釜に就き、V・ロッシのチームメートになるのは果たして誰なのか、ドゥカティから離脱するのはA・ドビツィオーゾか、それともA・イアンノーネか――今後はこうしたライダーの移籍も気になるところだ。(編集担当:熊谷けい)