セコム<9735>は、20代から60歳以上の男女を対象に、「日本人の不安に関する意識調査」を昨年に続き実施した。この調査は、高齢化や核家族化などの社会構造、凶悪犯罪の増加や多様化といった世相、ゲリラ豪雨や地震など災害多発化を背景に、日本人がどのようなことに不安を抱き、対策を行っているのかを浮かび上がらせている。
昨年と比較すると、「最近不安を感じている」と回答した人が増加。男性よりも女性、高齢層よりも若年層で、その傾向を強く見て取ることができる。また、過去の調査結果と同様、不安を感じていることに「老後の生活や年金」「健康」を挙げる人が多く、不安定な社会・経済情勢を背景に若年層や女性の不安意識が強まっていると思われる。
加えて、治安の悪化や犯罪増加、災害増加を懸念する人が、依然として多い。防犯・防災対策をしている人が、一昨年、昨年に引き続き微増しており、少しずつだが、対策を実施している人が増えている結果となった。しかし、防犯・防災とも、未だ6割以上が具体的対策をとっていない。
同社は、例年秋に行っているこの調査を昨年は10月9日~12日に行なったが、発表前にフランス・パリのテロが発生したことから、再度12月4日~7日に同様の調査を行い、不安意識の変化を調査している。その結果、不安を感じていることに「テロ」と回答した割合が、テロ発生後に急増した。この事件によって、日本人の不安意識へも大きな影響が及ぼされたのかもしれないと考えることができるだろう。
最近、何かに不安を感じていることはあるかという問いに、「感じている(27.4%)」、「どちらかといえば感じている(47.6%)」と、75.0%が回答。昨年より4.6%増加している。また、男性(71.2%)に比べると女性(78.8%)の方が、より不安を感じており、相対的に高齢層よりも若年層に不安を感じている人が多い傾向も見て取れる。
最近不安を感じていることは、1位「老後の生活や年金(70.1%)」2位「健康(61.1%)」3位「地震(43.2%)」4位「テロ(36.3%)」、5位「高齢化(34.7%)」だった。今回、フランス・パリのテロ発生前(10月9~12日)にも同内容の調査を行なっているが、テロ発生前に13.8%だった『不安を感じていることへ「テロ」と回答した割合』が、テロ発生後に36.3%と、実に約3倍に急増している。(編集担当:久保田雄城)