監視? 安全? 鉄道に広がる全車両撮影

2016年03月29日 08:41

 東急電鉄は28日から全車両への防犯カメラの設置を始めた。客室内を常に録画する動きは2月から始めた東海道新幹線、3月15日から始めた北陸新幹線など相次いでおり、今後も新幹線を中心に広がりを見せると予想される。

 東急によると、これまでもテロ行為等の未然防止のため、駅係員や東急セキュリティ鉄道警備隊による警備・巡回のほか、防犯カメラや非常通報ボタンの設置など、さまざまな取り組みを行ってきたが、最近は吊革盗難など車内における犯罪行為が発生していることなどから全車両への防犯カメラの順次設置に踏み切ったといい、2020年東京オリンピック・パラリンピックまでに設置を終えたいとしている。

 カメラは、池上・東急多摩川線の1編成から導入され、車内防犯カメラを設置している車両であることを、ステッカーの車内掲示によりして利用者に知らせるという。防犯カメラの映像は、各車両に装備されたハードディスクに保存し、約1週間周期で上書き・更新され、閲覧できる社員は限定される。

 鉄道車両内の防犯については、2015年6月の東海道新幹線での放火事件を受けて各社の対策が進んでいる。在来線の通勤電車でも、JR埼京線や京王線の一部車両に痴漢防止を目的に防犯カメラが導入されている。(編集担当:城西泰)