民進党の菅直人元総理は22日のブログで、安倍晋三総理が「党首討論などで、『私は立法府の長』と発言。本当に驚いた」と書いた。総理が立法府の長なら、行政府の長と兼務することになり、まさに安倍総理が目指す「緊急事態条項」での話になる。少なくとも、現行憲法下では立法府の長ではない。
菅元総理が驚いたと指摘するのも当然だ。菅元総理は「日本国憲法41条には『国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である』とある。国の立法府は言うまでもなく『国会』であり、立法府の長はあえて言えば衆参議長であって、内閣総理大臣ではない」とわざわざ書き込んだ。
そのうえで「憲法65条には『行政権は、内閣に属する』とある。内閣総理大臣は行政府の長である。立法府の長ではない」と丁寧な説明をしている。
そのうえで菅元総理は「最近、憲法改正議論の中で、緊急事態の時には閣議で法律を作ることができると言った議論が出てきている。まさにこうなれば総理大臣が立法府の長を兼任することになる。安倍総理の発言がこうした考えに基づくものだとしたらとんでもないことだ」と皮肉りながら、けん制した。(編集担当:森高龍二)