視聴行動分析サービスを提供するニールセンは、スマートフォン視聴率情報Nielsen Mobile NetView(ニールセン・モバイル・ネットビュー)の2016年4月データをもとに、スマートフォンアプリの利用状況を分析し結果を発表した。
2016年4月時点でスマートフォンの利用者数は5,496万人となり、1人あたり1日の平均利用時間は、2時間11分となっていた。スマートフォンの利用時間全体のうち、アプリからの利用とWEBブラウザからの利用の内訳をみると、アプリからの利用時間は全体の80%を占めていていた。
続いて、アプリの利用者数TOP10である。利用者数1位は「LINE」で、4,305万人の人が利用していた。TOP10アプリの利用者数を昨年と比較すると「Yahoo! Japan」の増加率が最も高く42%増加していた。また、エンターテイメントアプリである「YouTube」や「Apple Music」、コミュニケーション/SNSアプリである「Twitter」や「LINE」も増加率が高くなっていた。「LINE」や「Twitter」は、増加人数も多く、昨年と比べて500万人以上利用者数が増えていた。利用者数TOP10にはランクしていなかったが、SNSとしては「Instagram」も増加率が高く、昨年から500万人利用者数が増え、初めて利用者数が1,000万人を突破した。
利用者数が大きく増加しているアプリの中で、特にSNSアプリとして継続的に利用者数が増加している「Twitter」と「Instagram」に注目し、性年代別の利用者数を昨年と比較すると、「Twitter」は、35歳以上の増加率が高く、特に35-49歳女性と50歳以上の男性利用者が増加したことが、全体の利用者数増加に寄与していた。一方「Instagram」は、もともと利用者数の多かった34歳以下の女性に加えて、35~49歳女性の利用者も増加していた。また、Twitter同様、50歳以上の男性利用者も大きく増加していた。
同社シニアアナリストの高木史朗氏は、「サービスの利用者数を増やしていく過程では、「Twitter」と「Instagram」で比較したように、性年代別の増加傾向を把握することが重要です。利用者数が2,000万人を超える「Twitter」と1,000万人の「Instagram」は、さらに利用者数を増やしていくことを考えた時、性年代によって利用者数の拡大余地が異なります。特定の層だけをターゲットとしたサービスではない、大手のSNSやコミュニケーションツールなどの誰もが利用するサービスを提供する企業にとっては、一定の規模まで成長した後、どのように大きく利用者数を拡大していくのかという課題が出てくると考えられます。そうした際には、現状の利用者層を把握し、今後利用拡大が見込めるターゲット層を定め、そのターゲット層が現状利用しているサービスの特徴などを把握したうえで、コミュニケーションプランを立てていくことが重要です」と述べている。(編集担当:慶尾六郎)