6月22日公示、7月10日投開票で実施される『参院選挙』。最大争点は『アベノミクス』ではない。
憲法改正の是非と安保法制の是非。未来の世代のために、有権者が考えなければならない最重要課題だ。それは日本の進路を方向づける投票になる。
今、私たち有権者が考えるべきは、次世代に現行憲法を引き継ぐのか、現行憲法はGHQ支配下で押し付けられた憲法で自ら制定しなければ、とする改憲勢力、とりわけ、自主憲法制定を党是とする自民党や日本のこころを大切にする党などの考えの下、天皇を元首に規定し、集団的自衛権は他の独立国同様にフル行使できるようにし、緊急事態条項を憲法に創設し、有事には首相や内閣に権力を集中させ、政令に法律同様の効力を持たせ、基本的人権も制限できるような状況を享受するのか。その始まりがこの「参院選挙」といわなければならない。
自民党・公明党は32ある1人区での野党4党協力の候補一本化を、政策の違う4党が選挙に勝つために一本化か、と批判するが、政策を超えた次元で『国のあり方』が問われる選挙であるとの認識を共有するから、ここまでの協力態勢ができたとみるのが正しい。
こういう状況に追い込んだのは、安保法案を強行採決し、可決、成立させた自民・公明であることは言うまでもない。
参院選挙の大きな争点は安倍総理がいう『アベノミクスを力強く進めるか、それとも後退させるのか』の次元の話でないことを、3年半の流れで理解することが必要だ。その視点に立って、安倍政権を支持するか、支持しないかを判断する必要がある。
消費税増税を2019年10月まで引き延ばすことの是非は、問題ではない。あえていえば、引き延ばした時の社会保障費の財源をどこに求めるのか、税制やそれにより得られた税収をどのように分配していくのかという視点からの選択だろう。
あわせて、安倍政権と野党の政策の大きな違いは「原発政策」。安倍政権は原発を安定的な電力供給源とし「ベースロード電源」と位置づけ、活用し続ける姿勢を明確にしている。一方、民進党は「2030年代、原発稼働ゼロに向け政策資源を投入する」としている。
安倍晋三総理は衆院を解散はしない。かわりに「参院選挙で国民の信を問いたい。与党(自民・公明)で改選議席(121)の過半数を目指す」と公式な記者会見で断言した。
過半数が取れなければ、安倍政権が国民にNOを突き付けられたことになる。その意味もある選挙であることも踏まえ、投票を棄権しないことが大切だ。『あなたの一票で政治は動く』。(編集担当:森高龍二)