グレーゾーン解消制度の活用で漢方セルフ煎じコーナーの設置基準明確に

2016年06月26日 14:07

画.ク_レーソ_ーン解消制度の活用て_漢方セルフ煎し_コーナーの設置基準明確に

グレーゾーン解消制度を活用することで、事業者が規制の適用範囲が参照できる。これにより規制が不明確で知らず知らずのうちにこれを破り罰則を受けることや、過度な規制遵守がネックとなり不利益を被ることを避けられる。

 産業競争力強化法に基づく「グレーゾーン解消制度」の活用により、薬局や店舗での漢方セルフ煎じコーナーの設置基準が明確になった。グレーゾーン解消制度に則り、まず事業者から薬局内の漢方セルフ煎じコーナーの設置について、薬局等構造設備規則上に抵触するかどうかの問い合わせがあり、これに対して経済産業省と厚生労働省が検討を行い明確な基準が示された。これによれば、「漢方セルフ煎じコーナーが薬局等から明確に区別され、薬局等の衛生状態に影響を与えないよう管理されていれば、薬局等構造設備規則に抵触するものではない」とのことだ。

 この事例からわかるようにグレーゾーン解消制度を活用することで、事業者が規制の適用範囲が参照できる。これにより規制が不明確で知らず知らずのうちにこれを破り罰則を受けることや、過度な規制遵守がネックとなり不利益を被ることを避けられる。

 グレーゾーン解消制度は、企業実証特例制度とともに2014年1月20日に施行された「産業競争力強化法」に基づく制度だ。グレーゾーン解消制度を活用することで、事業計画の内容が規制に抵触していないかの照会が可能となる。これにより事業者は、安心して新分野進出等の取組を行える。さらには企業実証特例制度を活用することで、 安全性等を確保する措置を含む事業計画が認定されれば規制に対しての特例措置を認められる。これにより新規事業者は、過度な規制に縛られることなく産業競争力を強化できる。

 両制度の活用実績としては、「フィットネスクラブでの運動指導において、医師からの指導に従い、ストレッチやマシントレーニングの方法を教える場合には医学的判断や技術を伴わなければ医行為に該当しないとの回答」(14年2月26日、グレーゾーン解消制度)や、「現行規制よりもアシスト力の大きいリヤカー付電動アシスト自転車を公道で走ることへの特例措置」(14年2月26日、企業実証特例制度)など多岐に渡る事例がある。
 
 しかしながら事例の件数としては、14年に発足して以来16年3月現在まで、経済産業省所管のものが両制度合わせて82件と、年間10万社近くが開業していること考えると決して多いとは言えないだろう。この制度が知名度としてはまだ低いことから、活用できていない企業もあるのではないかと考えられる。(編集担当:久保田雄城)