16年1-5月期のスマホ販売台数は前年比1%減 家電量販店でのSIMフリースマホの数量構成比は7%へ上昇

2016年06月27日 07:18

 GfKジャパンは、スマートフォンの販売動向および携帯電話購買行動調査の結果を発表した。

 今回は総務省が大手3キャリアに出したスマートフォンの端末販売適正化に関する要請の影響を見るため、2016年1-5月の販売動向をまとめた。2月以降、ゼロ円端末の販売がなくなるとの報道を受け、需要減が心配されていたが、1-5月期のスマートフォン販売台数は前年比1%減にとどまった。月次ベースでみると、1月は同23%増、2月は同14%減と変動が大きかったが、5月には前年をやや上回るまでに回復したという。

 契約種別でみると、ナンバーポータビリティ(MNP)を含む新規契約の反応が大きかった。新規契約の割合は全契約の3割程度と少ないが、端末割引やキャッシュバック額が機種変更よりも大きく出ていたため、1月の駆け込み需要とその後の反動減も大きかった。1-5月期の販売台数をみると、新規契約が前年比7%減だったのに対し、機種変更契約が同0.3%増と対象的な結果になったとしている。 

 また、情報感度の高いユーザーが集まる家電量販店に絞ってSIMフリー端末の販売を見ると、スマートフォン全体に占める割合は徐々に上がっており、1-5月期では数量ベースで7%に達した。ただしこれは地区によって差異があり、関東甲信越地区と近畿地区では8%であったが、その他地区では4~5%にとどまった。関東甲信越地区での販売が全国のSIMフリー端末販売の約6割を占めるなど、SIMフリー端末の取り扱い店舗が未だ都市に偏りっていることもこの背景にある。なお、関東甲信越地区の割合は全携帯電話販売では約4割となる。

 そして、2016年5月に実施した携帯電話購買行動調査で、3カ月以内のスマートフォン購入者に現在のキャリアを選択した理由について尋ねた。その結果、最も多かった回答は「これまで利用していたキャリアで特に問題が無かったから」で44%に上った。これに次いで「家族割引があったから」が挙げられたが、その割合は24%で大きな開きがあった。格安スマホ等の選択肢は広がっているが、キャリア移行やメールアドレス変更の手間というハードルは高く、特に問題が無ければ多くのユーザーは同じキャリアで機種変更を選択するという傾向が伺えたとしている。

 また、スマートフォンと他インフラとのセット契約をキャリア選択理由に挙げる人も見られ、光固定回線とのセット契約である「ひかりセット割引があったから」では12%に上った。ただ、この一方で、電力自由化に伴い3キャリアで春から開始された「電力セット割引があったから」関しては1%未満にとどまった。電力セット割引に関しては、開始から間もないということもあるが、小売電力事業者の多さも影響していると考えられるとしている。(編集担当:慶尾六郎)