市民に政治を取り戻すための新たなスタート切る

2016年07月11日 12:20

 党首が落選する事態になった社会民主党は11日、参院選挙の結果に対する党声明を発表した。声明で「市民に政治を取り戻すための新たなスタートを切る」との決意を示した。

 今回の選挙について「アベノミクスをカモフラージュにした意図的な争点隠し、中身のない野合批判を繰り返す与党の戦法によって、国民の最大の関心事である社会保障・消費税・憲法・原発という本来の争点がぼかされ、安倍政権の対極にある社民党の政策や主張を十分に浸透させることができなかった」とした。

 また「安倍首相が、選挙戦が始まってからの党首討論から逃げたこと、参院選より東京都知事選を優先する報道姿勢の歪みも一因となり、国民の関心が低下し、投票率は前回を上回ったものの、戦後4番目の低さになった」とした。

 社民党は「今回の選挙結果をもって国民の信任を得たとする安倍政権によって、戦争する国への総仕上げとなる明文改憲が大きな焦点に浮上してくる。最初の改憲項目に想定される緊急事態条項の創設は、政府に全権・白紙委任状を渡すことによって憲法9条までもが骨抜きにされる危険性をはらんでいる」と警戒。

 そのうえで「憲法改悪が議論される国会だからこそ、護憲政党である社民党が役割を果たさなければならない。院内外での4野党共闘をさらに強め、集団的自衛権の閣議決定撤回、戦争法廃止法案の成立を追求し、何としても平和憲法の改悪を阻止しなければならない」としている。

 吉田忠智党首は社民党が改選前議席の2議席から1議席に減った責任は党首である自分にあるとし、自らが国会議員としての身分をなくしたことも踏まえ「国会議員、常任幹事のみなさんと相談し、今後の対応を相談したい」と11日語った。
 
 同席した又市征治幹事長は「党首としての任期は2年ある。国会議員でなくなったから、党首としての資格がない訳ではない。常任幹事会でしっかり相談したい。選挙については選対委員長だった幹事長の私が責任者だったので、そのことも含めて総括する中で全国の声を聞いて、党首、私の責任問題は問いたい」と付け加えた。各都道府県で選挙の総括を行い、9月の全国幹事長会議で意見を聞くことになるもよう。(編集担当:森高龍二)