燃料デブリの取り出し前提「石棺はない」機構

2016年07月16日 20:04

 原子力損害賠償・廃炉等支援機構は東京電力福島第一原発の廃炉作業に「機構が、通称『石棺』とよばれる方式を検討している」との報道について、16日までに「事実と異なる」と発表するとともに「誤解と心配をかけたことをお詫びする」とのコメントを発表した。

 機構は「戦略プラン」に記載したのは、石棺方式を検討するということではなく「なぜデブリを取出す必要があるのか、石棺という方法もあるのではないかといった質問を受けることがあったことから、地元の不安を解消する観点から、通称『石棺方式』の問題点について機構の見解を示すため記載したもの」と説明。

 そのうえで「石棺方式」について「中期的リスクの低減に効果がある場合があっても、長 期的リスクの低減に限界があり、避けるべきであると考えている」と表明。

 そのうえで「廃炉に当たって長期的リスクを放置することは考えられないことから、通称石棺方式を検討している事実はなく、燃料デブリについては取り出すことを前提に技術的な検討を行っている」としている。

 石棺方式とは事故で溶け落ちた燃料デプリを取り出さずに原子炉ごとコンクリートで覆うやり方で、封じ込める方式であることから石棺と呼ばれている。この方式も検討の視野に入れているとした報道に対し、地元から強い反発が起きていた。(編集担当:森高龍二)