参院自民党内で総理に異論唱える人、誰もいない

2016年07月18日 08:28

参院議長ポストをめぐり、安倍晋三総裁出身の細田派に所属する伊達忠一参院幹事長を抜擢する動きに、自ら安倍総裁支持者だとしてきた山本一太元沖縄北方担当大臣から「納得できない」と伊達氏抜擢に強い批判がでている。同時に、参院自民党内で安倍総理に異論を唱える人は誰もいなくなっているという、安倍総理「1強」の自民党内の変化も浮き彫りになってきた。

 山本参院議員は、17日のブログで「自民ひと筋20年、4期の山本一太が納得できない伊達参院議長」のタイトルで「三権の長と呼ばれる役職は4つ。内閣総理大臣、最高裁判所長官、衆参の議長だ。大島理森衆院議長の経歴をチェックしてみた。衆院当選11回。 環境庁長官、文部大臣、科学技術庁長官、農林水産大臣、自由民主党幹事長、自由民主党副総裁を歴任している。三権の長にふさわしい実績だ」と相応しい人材であると強調。

 一方、伊達氏について「このまま伊達参院幹事長が参院議長になったとしたら、『衆参はもともと全く重みが違う。参院は(正確には参院自民党は)自民党の2軍ですから!』と内外に宣言するようなものだ」と伊達氏就任にはあからさまに懸念を表明。

 伊達氏は当選3回、閣僚経験はない。山本議員は「伊達参院幹事長の経歴、識見、品格にケチをつけているわけではない。参院の顔である参議院議長としては他にもっと適格者がいるのではないかと言っているのだ」と怒りが収まらない。

 山本議員は「参院の役割とは何なのか?参院議長として参院をどうしていきたいのか? 参院議長としての抱負やビジョンを語っていただきたい。当選3回で、閣僚経験もなく、本人の口から参院の理念も政策も聞いたことがない。『伊達氏が参院議長になる理由は、総理官邸との関係が良好で、最大派閥に属しているからだ』。もし伊達氏が議長職を受けるつもりなら、参院自民党内で多くのひとに共有されているこの認識が間違いであることを、自ら証明して欲しい」と痛烈だ。

 山本議員は、この人事が実現することやこの人事が出てくる背景に「衆院の参院に対する意識が凝縮されている。参院の在り方を問う象徴的な現象なのだ」と懸念を隠さずにおられないもよう。

 山本議員は14日のブログで「第一次安倍政権の時代。当時の安倍総理にとって、最大の関門は参議院だった。もっと具体的に言うと、青木幹雄参院議員会長だった。そう言い切れるほど、青木議員会長の影響力は大きかった。総理の進めようとした改革に常に立ちふさがったのが、参院自民党だった。参院自民党のトップを選ぶ参院議員会長選挙の制度が出来たのは、確か青木議員会長の時代だったと思う。自民党参院議員の民意で自分たちのリーダー(参院議員会長)を決めるという仕組みによって、自民党総裁である総理と言えども、参院のトップ人事に口を出せなくなった。参院の独自性を担保するための恐るべき戦略だ。これこそ、参院自民党の力の源泉だった」。

 ところが「第二次安倍内閣発足から3年半。そして今回の参院議長を含む参院執行部人事で『安倍総理は参院自民党を完全に掌握した』。最早、参院自民党内で総理に異論を唱えるひとは誰もいない」と安倍総理『1強』の自民党党内変化を強く窺わせている。参院議長は8月1日召集予定の臨時国会で選出される。閣僚経験なし、当選3回の「伊達参院議長」誕生になるのか、関心を持って結果を見たい。(編集担当:森高龍二)