2015年の国内CRM市場は前年比8.9%増の800億8,900万円になったという。IT専門調査会社 IDC Japanは、国内CRM(Customer Relationship Management)市場を調査し、2015年の同市場の分析と2016年~2020年の予測を発表した。
IDCでは国内CRM市場を「コンタクトセンターアプリケーション市場」「カスタマーサービスアプリケーション市場」「マーケティングアプリケーション市場」「セールスアプリケーション市場」の4つの機能市場に分類して、それぞれの市場について個別に市場予測を行った。
この市場分類にて、2015年の国内CRM市場は、前年比8.9%増の800億8,900万円になった。2015年は、クラウドサービスが市場の中心であるマーケティングアプリケーション/セールスアプリケーションが市場成長をけん引した。マーケティングアプリケーションでは、消費者のデジタル化進行、オムニコマースの進行によって、デジタルマーケティングの需要が拡大し、前年比19.2%増の高成長を達成した。また、セールスアプリケーションでは、既設ユーザー企業での更改時のユーザー数拡大、従来導入されていなかった中堅中小企業へのタッチポイントの拡大が見られ、前年比11.6%増の成長を遂げたとしている。
IDCでは、2016年以降の同市場は、デジタルトランスフォーメーション(DX)の進行や顧客情報のビッグデータ/アナリティクス需要、CRMアプリケーションとバックオフィスアプリケーション連携需要などの要因によって、2015年~2020年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)5.3%で推移し、2020年には1,039億2,300万円になり、1,000億円を超える規模になると予測している。
「ベンダーおよびシステムインテグレーターは、個別製品/サービスの訴求から顧客データ活用の全社展開訴求への転換、データエコノミーへの参入、およびコグニティブシステムとの連携強化を行っていくべきである」とIDC Japan ソフトウェア&セキュリティ/ITスペンディング グループディレクターの眞鍋敬氏は分析している。(編集担当:慶尾六郎)