岸田文雄外務大臣は25日、王毅(おう・き)中国外交部長との外相会談で9月のG20杭州サミットに安倍晋三総理も出席予定であると伝え、サミット成功へ日本としても積極的に協力していく旨を伝えた。外務省が発表した。
また東シナ海問題について岸田外務大臣は王部長に対し「尖閣諸島周辺の海空域の状況について日本が有している強い懸念と危機感を深刻に受け止めるべき」と伝えるとともに「東シナ海資源開発の問題について2008年合意に基づく協議を早期に開催すべき、また、防衛当局間の海空連絡メカニズムを早期に運用開始したい」と求めたとしている。
これに対し、王部長から「尖閣諸島に関する独自の主張に基づく発言のほか、東シナ海資源開発の問題については引き続き意見交換したい、海空連絡メカニズムの運用開始を実現したい旨の発言があった」とし、2008年合意に基づく協議には応じるものの、尖閣諸島に対する領有権をめぐっては従来の主張を行ったもよう。
南シナ海についても、岸田外務大臣から「地域の平和と安定に直結し、日本を含む国際社会共通の関心事項」で「全ての当事国はこの地域の緊張をこれ以上高めるような行動を控えるべき」と求めたが、王部長からはこれまでの主張が行われるにとどまった。(編集担当:森高龍二)