15年の国内ベビー・こども服市場規模は前年比0.5%減の9,180億円

2016年07月30日 19:08

 矢野経済研究所では、国内ベビー・こども服市場の調査を実施した。調査期間は2016年5月~6月、調査対象は小売(百貨店・量販店・専門店・通販)、卸、製造業など。調査方法は同社専門研究員による直接面談、電話によるヒアリング、郵送アンケート、文献調査を併用した。

 2015年の国内ベビー・こども服市場規模は、前年比99.5%の9,180億円となり、僅かではあるが、減少している。消費増税による個人消費の停滞、なかでも中間層の消費が減少したとみられることなどが、ベビー・子供服の買い控えに影響しているものとみているという。また、大手企業は好調に推移しているが、一方で苦戦を強いられている企業も少なくないなど、各社業績に好不調がみられる。今後もベビー・こども服市場は少子化による市場規模の縮小、二極化傾向は続くと予測している。

 百貨店は各社自主編集売場を強化し、次世代顧客を取り込むための取り組みを行っている。母親目線で商品を揃える、子育ての不安の解消や相談に対応するコンシェルジュを配置するなど、母親の関心の高い商品展開や情報サービスの提供、イベント開催などを行っている。特に、出産準備にも力を入れているところが多く、妊娠をきっかけに次世代顧客の取り込みを行っている。

 さらには、子供が遊べるスペースの充実や、子供連れのファミリーが快適に過ごせるよう、休憩スペースなどの周辺環境の整備など、子供関連商品やサービスにとらわれない売場づくりも進んでおり、今後もこの傾向は強化されるものと考えるとしている。

 量販店は、専門店などとの競合から苦戦が続いている中、従来の低価格路線から機能性を重視したプライベートブランド(自主企画商品)に注力したり、子供服専門店を売場に誘致するなど、各社は戦略の転換を図っている。また、ファミリーで過ごせる快適な空間を提供することで、集客力を高めたり、インターネットで注文した商品を自宅だけでなく、実店舗で受け取れるなどの顧客の利便性向上を目指した取り組みを行っている。

 また、厳選し商品を購入する顧客が増える中、プライベートブランド商品開発強化と差別化を図る専門店が増加している。一方でセレクトショップのファミリー業態開発が増加している。ファミリー層を狙い、親世代が親しみを感じることのできるブランドとの協業商品のほか、素材や柄を揃え、親子ペアで楽しめるオリジナル商品を提案するところも多くみられる。さらに、子供関連イベント・パーティ増加に伴い、カジュアルギフト需要も増加している。こうしたなか、相手の趣味趣向に合わせたもの、品質や機能性にこだわったものなど、ライフスタイルに合わせたカジュアルギフトの提案に注力する企業も少なくないとしている。

 インターネット通販は好調で、大手インターネットモールへの出店だけでなく、自社サイトを立ち上げる企業やブランドが相次いでいる。働く母親の増加などで通信販売チャネルの利便性の高さに支持が年々高まっていることなどが背景にあるものとみる。また、ベビー服では接客が必要なケースが多いものの、子供服では基本的には試着を必要としないことから、通信販売チャネルはインターネット通販を中心に今後も拡大が期待されるとしている。(編集担当:慶尾六郎)