海外の経済指標、イベントは5日にアメリカの雇用統計が発表される。1日に発表されるISM製造業景況指数、中国PMI、2日のアメリカの新車販売台数、3日のADP雇用統計、4日のBOE金融政策委員会と、海外の重要指標、イベントが目白押し。
1日には中国の7月の製造業PMI、非製造業PMI、財新の7月製造業PMI、アメリカの6月の建設支出、7月のISM製造業景況指数、2日にはアメリカの6月の個人所得、個人支出、新車販売台数、3日にはアメリカの7月のADP雇用統計、ISM非製造業景況指数、4日にはアメリカの6月の製造業受注、5日にはアメリカの7月の雇用統計(非農業部門雇用者数の伸び、完全失業率、平均時給など)、アメリカの6月の貿易収支、消費者信用残高が、それぞれ発表される。
2日にオーストラリア、3日にタイで政策金利が発表される。4日にイングランド銀行(BOE)の金融政策委員会が開かれ、その結果と議事要旨が発表される。カーニー総裁は6月の英国の国民投票後に金融市場が大混乱した直後に夏の金融緩和を予告しているが、7月の委員会の時はパスした。もし8月もパスして予告をホゴにしたら、あれはその場しのぎの方便だったことになる。「状況が変わった」などと言い訳してもBOEに対する市場の信頼は失墜し、世界の為替、株式、債券市場は混乱しかねない。要注意。
アメリカの主要企業の決算発表は1~6月期決算の発表が最終段階になる。
1日にバルカン・マテリアルズ、アライアント・エナジー、ロウズ、マイクロチップ・テクノロジー、2日にナイソース、シーゲイト・テクノロジー、エトナ、ファイザー、モルソン・クアーズ、P&G、モザイク、カミンズ、エコラボ、デボン・エナジー、AIG、エレクトロニック・アーツ、ファーストソーラー、3日にノーブル・エナジー、タイムワーナー、エクセル・エナジー、ヒューマナ、メットライフ、アメリカン・ウォーター・ワークス、4日にチェサピーク・エナジー、デューク・エナジー、ケロッグ、シマンテック、エヌビディア、バイアコム、モンスター・ビバレッジが決算を発表する予定。
日銀が事実上、ETF買入枠の倍増のみの「部分的緩和」を発表し、日経平均が乱高下した前週末7月29日の終値は16569.27円だった。そのテクニカル・ポジションを確認すると、移動平均は5日線、75日線、25日線は下に、200日線は上にある。17292円の200日線までは723円で、前々週末同様、太陽系で言えば肉眼で見えて探査衛星を飛ばせる木星や土星あたりの距離にある。16542円の5日線は27円差のすぐ下。16374円の75日線は195円下、16003円の25日線は566円下。
日足一目均衡表の「雲」は7月29日時点では16094~16504円で、29日終値は上限を65円上回っていたが、前週は雲の中に出たり入ったりしていた。それでも雲全体はおおむね下値サポートの役割を果たしていた。今週は雲の位置が下に移動し、雲の上限は16238円、下限は15842円で固定される。
ボリンジャーバンドでは7月29日終値は25日線-1σの15421円と+1σの16585円の間のニュートラル・ゾーンに位置する。+1σまでは16円しかなく上に偏っているが、6月、7月はアップダウンが激しかったのでニュートラル・ゾーンは久しぶり。それは週間騰落57円安の日柄調整で「テクニカル・ポジションがこなれた」ということ。
オシレーター系指標も日柄調整でこなれ、7月22日から57円下がっただけだが、「買われすぎ」シグナルは22日の4個が29日は2個に減っている。76.3で買われすぎ基準の70を上回ったRSI(相対力指数)と、70.5で買われすぎ基準の70を上回ったボリュームレシオだが、ボリュームレシオは少しオーバーしただけ。その他の指標は、騰落レシオの117.0、25日移動平均乖離率の+3.4%は高めのポジションだが、RCI(順位相関指数)の+11.9、ストキャスティクス(9日・Fast/%D)の47.1、サイコロジカルラインの7勝5敗の58.3%は、さして高くない。ボリンジャーバンドなどトレンド系指標ともども、前週と比べたら上値を追いやすくなっている。
7月22日時点の需給データは、信用買い残は7月15日時点から701億円増の2兆2186億円で、2週ぶり増加。信用倍率(貸借倍率)は3.17倍から3.30倍へ2週ぶり増加。信用評価損益率は-15.31から-14.19へ2週連続の改善。裁定買い残は406億円増の8247 億円で、2週続けて増加している。
東証が発表した7月19~22日の投資主体別株式売買動向によると、外国人は2週ぶりの売り越しで売越額は1261億円。個人は2週ぶりの買い越しで買越額は386億円。信託銀行は2週ぶりの買い越しで買越額は660億円だった。
前週のカラ売り比率は終始40%台に乗っていた。25日は40.2%、26日は40.6%、27日は42.1%、28日は40.9%、29日は41.9%。それが需給の足を引っ張り、終値は上がっても16600円台どまりだった。日経平均VI(ボラティリティー・インデックス)の7月29日終値は26.60。前週は29台が続いた後、28日には30を超えたが、29日には大きく減っている。日米中央銀行イベント通過で、今週は恐怖指数も落ち着いてくるはず。