【今週の展望】モヤモヤ気分のまま政策効果に期待をかける週

2016年07月31日 20:14

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「部分的緩和」の後の、妙なモヤモヤ感。それを引きずりながら、そして船は行く。安倍内閣は内閣改造と、一億総活躍政策。期待だけが空回りする夏にしたくない、が。

 日本列島全体が梅雨明けしても今年は台風の発生がまだ2個と少ないが、7月29日後場の東京市場は、まさに台風が通過したかのようだった。日銀会合の結果が発表されると、6分間で505円も急落するなど上へ下への乱高下。飛行機に乗っていてこんな乱気流に巻き込まれたら、生きた心地がしない。

 しかし、為替のドル円が103円台の円高水準のままだったのに、最終的に日足一目均衡表の「雲」の上に出てプラスで終わることができたのは、まずまずの出来と言える。下に「雲」があり、テクニカル的に上値追いがしやすくなっている16569円は、今週のスタート地点としては、悪くない。

 では、どこまで上値を追えるだろうか? 

 一つのメドは17000円チャレンジだが、29日の海外の株式市場、為替市場の動きを見ると、大台到達はかなり厳しい情勢。そのカギを握る為替レートは29日、ドル円がNY時間で一時101円台になり、その後も102円そこそこの水準にとどまった。これが日銀の「部分的緩和」に対する世界の反応である。NYダウは24ドル安だった。

 それでも大阪取引所の日経平均先物夜間取引は安値が16280円で、終値は16310円。円高の中、16000円割れを起こさず16300円台で終えたということは、激しく乱高下した日銀会合結果発表後の台風を通過して「円高耐性」がついたとも言えるだろう。だから今週は下値は底堅いとみる。イベントは、それを通過しただけでも意味がある。きのうはきのう。ただの一日。日は沈み、そして昇った。

 今週は政府の「一億総活躍」関連政策の発表があるが、事前の報道でかなりの程度、織り込み済み。期待できるとしたら数字の上積みぐらいだろうか? 上値はボリンジャーバンドの25日線+1σの16585円、6月メジャーSQ値の16639円を超えられるとしても16850円あたりが限界ではないか。

 一方、下値の不安は、日米中央銀行イベント前の様子見ムードに支配されていた前週よりも小さくなっている。5日に雇用統計の発表があるが、6月発表分で悪化したのが7月発表分で改善しているので、怖さは前回よりも薄れている。ピークを迎えている企業決算も業績観測記事を見る限り、主要銘柄の通期業績見通し大幅下方修正のような株価指標に大きな影響を及ぼしそうな悪材料は見当たらない。円高の影響を受けるのは百も承知だ。

 前週は日経平均が日足一目均衡表の「雲」に出たり入ったりしていたが、今週の雲は少し下がって15842~16238円で固定される。雲の上限の16238円は7月29日終値よりも331円下で、75日移動平均線を下回る水準。ドル円が100円割れでも起こさない限り、下値のメドとしてはこれが適当だろう。

 ということで、今週の日経平均終値の予想変動レンジは16200~16850円とみる。

 アメリカの大統領選挙は、共和党はドナルド・トランプ氏、民主党はヒラリー・クリントン氏がそれぞれ党の候補者指名を受け、11月8日の投票日まであと3ヵ月あまり、熱い選挙戦が繰りひろげられる。そして今週5日はリオ五輪の開会式。過去、アメリカの大統領選挙があり、オリンピック夏季大会が開催される「うるう年」の平均株価の年間騰落は、メルボルン五輪の1956年からロンドン五輪の2012年までの15回でNYダウは11勝4敗で三賞受賞ものの好成績、日経平均も10勝5敗で2ケタの勝ち越し。日米ともに下落したのはシドニー五輪の2000年と北京五輪の2008年の2回だが、それぞれITバブル崩壊とリーマン・ショックが起きた年だった。(編集担当:寺尾淳)