日本経済団体連合会の榊原定征会長は政府が閣議決定した「未来への投資を実現する経済対策」について2日「金融・財政・構造改革を総動員した事業規模28.1兆円、財政措置13.5兆円という大規模かつ総合的な内容となった」とし「第2次補正予算ならびに来年度予算と切れ目ない対策を講じており、安倍政権の経済最優先の姿勢を明確に示すものとして歓迎する」とコメントを発表した。
榊原会長は「未来への投資の加速を前面に打ち出し、一億総活躍社会の実現、21世紀型のインフラ投資、構造改革の推進を中心に日本経済の中長期的な成長力向上に資する施策を講じた点が特筆できる」とした。これは当然で、経団連の要望を織り込み済みの内容になっている。
榊原会長は「政府・与党には今次対策の効果が早期に発現するよう、秋の臨時国会において、第2次補正予算の速やかな成立を図るとともに、来年度予算の編成においても日本経済の構造改革や成長戦略の促進に資する施策を積極的に講じていただきたい」と期待した。
この日発表したコメントには長時間労働の是正を織り込んだ「官民戦略プロジェクト10の推進」は入っているが「積極経営を進め、設備投資や研究開発投資を活発に行っていく」と政府政策方針に沿う考えを示す一方、「同一労働同一賃金の実現、労働者の賃金アップ、処遇改善・向上」などの文言はなかった。(編集担当:森高龍二)