日中『地理的中間線』中国側動きに一層注視必要

2016年08月08日 07:56

 中国の海洋での活発な動きがみられるなか、日本と中国の『地理的中間線』中国側で16基確認されている構造物の1基に水上レーダーの設置が確認されたことに、佐藤正久元防衛大臣政務官は「軍事利用も可能な航空管制レーダー設置の布石との見方もあり、今後、さらに注視の必要がある」とツイッターで発信した。

 また外務省が6日に尖閣諸島周辺の接続水域に中国海警船舶6隻とその周辺で中国漁船約230隻が確認されたことに、佐藤元政務官は「国内法は自国の主権が及ぶ地域での執行が基本。海警が中国漁船を国内法で取り締まることで尖閣は中国のものとの主張ができる」と領有権を主張する中国が、国際社会にアピールするとともに、既成事実化を図る狙いがあると警戒を強めている。

 外務省は駐日中国大使などを通し「尖閣諸島領海への侵入や同海域での活動は我が国主権の侵害で断固認められない」と抗議している。

 また、日中地理的中間線中国側での動きに「東シナ海の排他的経済水域及び大陸棚は境界が未画定で日中中間線を基にした境界画定を行うべき」との日本のこれまでの立場を伝えたうえで「境界が画定していない状況で日中中間線中国側とは言え、一方的な開発行為を進めていることは極めて遺憾」と抗議。開発行為の中止と東シナ海資源開発に関する2008年6月合意の実施に関する交渉再開に応じるよう中国側に求めている。(編集担当:森高龍二)