【今週の振り返り】腹の探りあいを繰り返して374円下落した週

2016年08月20日 20:31

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「日銀のETF買い707億円は入るか?」「いや、きょうは入っていないようだ」口先介入、緊急会合、「追加緩和はある」。思惑と要人発言が複雑に交錯する、心理戦。

 15日の日経平均は小幅反落。前週末12日のNYダウは小売業売上高や生産者物価指数(PPI)が市場予測を下回り37ドル安だったが、NASDAQは史上最高値を連日更新。CME先物清算値は16810円。大阪の先物夜間取引終値は16820円。アメリカの小売業売上高がふるわなかったので15日朝方の為替レートはドル円が101円台前半、ユーロ円が113円台前半と円高基調。

 日経平均始値は53円安の16866円。高値は10時37分の16932円。安値は9時2分の16844円。終値は50円安の16869円。取引開始前発表の4~6月期GDPは年率換算で+0.2%。市場予測の+0.7%より低いが2四半期連続のプラス。円高の影響で輸出や設備投資は不振でも個人消費は堅調だった。日経平均は安く始まるが下げ幅を徐々に圧縮し、10時台には16900円台に乗せ何度かプラスにもタッチ。しかしTOPIXはプラスに届かない。前場の残り時間は前日終値付近でもみあう展開が続き79銭のプラスで終了。TOPIXはマイナス。日銀のETF買い出動があるかどうかは、なんとも微妙。後場は為替のドル円が101円台前半で円高方向に動き、16900円を割り込むマイナス圏で再開。16800円台後半で小動きするが安値は更新せず。TOPIXのほうは安値更新。2時台になると水準を上げて16900円に一時タッチするがプラスに浮上できないまま。お盆休みの極端な薄商いなので撃たれたら反応が出るはずだが、「日銀砲」はフタがされたままの模様。終盤も波風立たず最後に少し下げて始値付近で大引け。日中値幅88円の静かな一日だった。

 日経平均終値は50.36円安の16869.56円、TOPIX終値は-6.59の1316.63。売買高は12億株で今年最少。2014年4月18日以来2年4カ月ぶりの水準。売買代金は1兆5701億円で今年最少は免れた。値上がり銘柄数は568、値下がり銘柄数は1260。プラスは情報・通信、食料品、ゴム製品、水産・農林、不動産、鉱業の6業種。マイナスは27業種で、その下位はパルプ・紙、海運、保険、非鉄金属、医薬品、倉庫など。上海総合指数は2.44%高だった。

 16日の日経平均は大幅続落。原油先物は45ドル台回復。ドル安も好感され週明けのNYダウは59ドル高と反発。NASDAQは3日続伸で主要3指数とも史上最高値更新。金先物も下落してリスクオン。しかしNY連銀製造業景気指数が悪く朝方の為替レートはドル円が101円台前半で引き続きドル安円高。ユーロ円は113円台前半。CME先物清算値は16870円。大阪夜間取引終値も16870円。

 日経平均始値は9円高の16878円。高値は9時5分の16887円。終値は273円安の16596円で安値引け。ドル円101円台の円高ながら小幅高で始まる。前日終値付近の16845~16887円の42円値幅で、夏バテしたかのように動きは緩慢。10時台に入るとドル円が101円を割り込み日経平均も急落するが16800円台は維持。だが値を戻してもプラスには浮上できない。後場に「日銀の707億円」が入る予感を感じさせつつ、16800円台前半で小動きしたまま42円安で前引け。しかし昼休みに先物が売られ後場は安値更新で再開。ドル円も100円台前半まで円高が進行した。16700円を割り込んで1時30分頃まで16600円台後半で推移する。それでも1時台後半から上昇が始まり、16700円台半ばまでマイナス幅を圧縮。ところが、2時台はドル円が再び100円に向かって円高に振れると、日経平均も先物主導で大引けまでズルズル下げ続ける。昼休みに続く2回目の仕掛け売り。16700円、16650円、さらに終盤に16600円も割り込みTOPIXとともに安値引け。相手に「きょうは日銀のETF買い707億円は来ない」と、見切られたかのようで、事実、その「日銀砲」は撃たれなかった。

 日経平均終値は273.05円安の16596.51円、TOPIX終値は-18.16の1298.47。売買高は16億株、売買代金は1兆9787億円。値上がり銘柄数は217、値下がり銘柄数は1672。プラスは石油・石炭1業種のみ。マイナスは32業種で、その下位は不動産、保険、証券、建設、精密機器、金属製品など。上海総合指数は0.48%安だった。

 17日の日経平均は反発。アメリカの経済指標は、住宅着工件数、鉱工業生産指数は予想外の好調、CPIは横ばい。NYダウは、NY連銀のダドリー総裁が「追加利上げ実施時期に近づいている」と発言し9月利上げを否定しなかったため警戒感で軟調が続き84ドル安と反落。為替のドル円はロンドン時間に一時100円を割ったが、朝方の為替レートはドル円が100円台前半、ユーロ円が113円台前半。CME先物清算値は16560円。大阪夜間取引終値は16580円。

 日経平均始値は25銭安の16596円。高値は2時54分の16772円。安値は始値と同じで「寄り安」。終値は149円高の16745円。前日の安値引けが下げすぎだったようで、日経平均は極小のマイナスで始まっても15秒後にはプラスに浮上し16600円台に乗せる。財務省の浅川財務官の円高けん制発言を受けてドル円が100円台半ばで安定すると、おおむね16600円台後半の安定した値動きが続き、16700円台に何度も乗せる。前引けは83円高の16679円。後場は前引けよりもやや高い水準で始まり、0時台は16700円近辺で動く。1時台に16660円付近まで下がるがプラス圏は維持。2時台になると為替のドル円が101円台に乗せて円安が進行するのを受けて高値更新。16750円手前の水準で小動きした後、終盤には高値追いしていた。

 日経平均終値は149.13円高の16745.64円、TOPIX終値は+12.66の1311.13。売買高は17億株、売買代金は2兆728億円でかろうじて2兆円超え。値上がり銘柄数は927、値下がり銘柄数は919で互角。プラスは24業種で、その上位は鉱業、保険、鉄鋼、石油・石炭、銀行、その他金融など。マイナスは9業種で、その下位は建設、水産・農林、食料品、空運、医薬品、陸運など。上海総合指数は0.01%安だった。