4人に1人「本気で自殺考えた」4万人超調査

2016年09月08日 10:40

 日本財団が全国4万436人から得た「自殺意識調査」の結果、4人に1人が本気で自殺を考えたことがあり、5人に1人が身近な人を自殺で亡くしていることが分かった。また財団は全国で自殺未遂経験者が過去1年以内で53万人を超えると推計されるとしている。7日発表した。

 9月10日の「WHO世界自殺予防デー」にあわせ、自殺リスク、自殺リスクを抱えている人の特徴、予防対策などを導き出すため、8月にネット調査した。20代から50代の各年代と60から64歳、65歳以上を対象に実施。

 その結果、20から39歳は最も自殺リスクの高い世代であることが分かった。自殺をしたいと本気で考えたことがある人は20代では34.9%、30代では32%。特に女性の20代では37.9%、30代では36.3%にのぼった。

 また自殺リスクの高い人では(1)家族、友人、恋人など身近な人を自殺で亡くした(2)他者を頼れず、人は理解や共感できないと思っている=孤独感(3)過去に虐待を受けた(4)死への恐怖が薄い(5)生を全うする意思が低いなどの特徴があった。

 また、自殺を高める要因では(1)家族などからの虐待(2)生活苦(3)家族の死亡(4)アルコール依存(5)多重債務などの負債があがった。

 自殺リスクの抑制には(1)家族の中での自己有用感を高める(2)自分には問題解決力があるというポジティブ志向を高める(3)人は理解や共感ができると考える共感力を高めることが必要。

 社会政策では(1)社会全体の課題として自殺対策に取り組む(2)「生きることの包括的な支援」として自殺対策を推進する(3)様々な分野の関係者が連携して総合的に対策を行う(4)若年層や自殺未遂者など自殺のハイリスクグループへの支援を強化する(5)誰にとっても「生き心地のよい地域」を作ることが自殺対策につながると提言した。(編集担当:森高龍二)