安倍晋三総理は日本・ASEAN首脳会議で中国の南シナ海・東シナ海での動きを念頭に「一方的な現状変更の試みの継続を深刻に懸念している」と語った。
そのうえで「南シナ海に関し、フィリピン・中国仲裁判断は、国連海洋法条約上、当事国を法的に拘束する」とし「両当事国がこの判断に従うことにより、今後、南シナ海を巡る紛争の平和的解決につながっていくことを期待する」と述べた。
また「南シナ海の領有権問題自体は当事国間の問題だが、南シナ海は日本にとって死活的に重要なシーレーン」と、南シナ海が日本にとっても重要なかかわりのあるエリアであることを提起したうえで「地域全体の平和と安定にとっても重要な問題」とした。
安倍総理は「中国とASEANとの対話を歓迎するが、対話は国際法に基づき、現場における非軍事化及び自制が維持されることを前提として行われるべき」と提起した。
安倍総理は、今年5月のG7伊勢志摩サミットにおいても(1)国家は国際法に基づいて主張を行うこと(2)主張を通すために力や威圧を用いないこと(3)紛争解決には仲裁を含む平和的手段を追求することについて一致した、と自国の論理で一方的に現状変更を試みることは許されないと強くアピールした。(編集担当:森高龍二)