再生エネ賦課金減免「継続強く求める」経団連

2016年09月09日 11:48

 日本経済団体連合会は電力を多く利用する事業者の再生エネルギー賦課金(固定価格買い取り制度=FIT制度=の原資を賄うための電気料金上乗せ分)の減免を図る「賦課金減免制度」について、政府が対象事業所に対し、一律8割削減している現行制度を、省エネへの取り組みなどを確認し、8割を超えない範囲で、政令で定める範囲と改訂する案に対し「我が国の国際競争力強化を図る観点に一定程度配慮されたもので、概ね評価する」としたうえで「予算措置が継続されることを強く求める」と制度継続を求める意見を9日までに提出した。

 減免制度は国際競争力の強化の観点から設けられた制度で、電力多消費産業に対し賦課金の8割を減免しており、2015年度は565億円、2016年度は見込み額で900億円余りになるとみられている。

 経団連は「賦課金減免制度は政策的に再生可能エネルギー導入量の拡大を図るうえで、過重な負担を課されることとなる電力多消費事業者に対し、産業競争力の維持・強化の観点から、負担軽減を認める制度で、エネルギー対策特別会計も財源として減免措置がとられている。その政策的意義に鑑みて、今後とも予算措置が継続されることを強く求める」と継続を求めた。

 改正案では、売上高1000円当たりの電気使用量(KWh)が平均値の14倍(製造業8倍)以上の事業所(年間電気使用量100万KW以上)に対し、賦課金の8割を減免し、国で補てんしてきたが、今回、政令で定める電気使用量を超える事業所に対し、一律8割の減免措置ではなく、省エネへの取り組みなどを確認するなどして、減免率の設定を可能にする形にすることで、再生可能エネルギー導入量拡大とともに、省エネへの取り組みを進める狙いがある。

 経団連は意見の中で、FIT制度による国民負担について「既に当初の想定を超え極めて重いものになっている」とし「震災前並みの電気料金水準の実現に向け、制度運用を不断に検証し必要な見直しを行っていただきたい」との意見もつけた。減免継続には対象にならない事業者や家庭の電気料金そのものを震災前並みに引き下げる努力が求められるとの認識を示したとみられる。(編集担当:森高龍二)