8月の「東日本大震災」関連倒産は7件 6カ月連続で1桁台推移

2016年09月11日 09:15

 東京商工リサーチによると、2016年8月の「東日本大震災」関連倒産は7件(前年同月12件)だった。2016年3月以降6カ月連続で1桁台で推移し、収束傾向に変わりがない。ただし、累計件数は8月30日には震災発生から2000日目を数え、9月11日には5年半を迎えるなかで1,748件(8月31日現在)に達した。これは、前年(2015年)の東京都1年間の倒産件数1,797件に匹敵する規模であるという。

 事例としては、発電設備管理システム開発のマド・プランニング(TSR企業コード:012047856、法人番号:6430002039905、北海道)がある。同社は、本州の電力業者向けに発電設備の異常等を検知するシステムの開発を手がけていた。しかし、東日本大震災により契約が見送られるケースが発生して、平成23年8月期の売上は2,000万円まで減少した。さらに同24年8月期の売上は47万円まで落ち込み、開発経費が先行するなかで、先行きの見通しが立たず同24年内に事業を停止していた。

 震災関連倒産は1桁台が続き収束傾向が目立つ。この一方で、震災の影響で事業を停止していた企業が、ここにきて整理に踏み出すところがみられ、傷痕の深さを物語ったとしている。

 「震災関連」倒産の累計1,748件を都道府県別でみると、最多は東京の534件(8月2件)。次いで、宮城142件、北海道83件、神奈川71件、福岡70件、千葉68件、岩手67件、茨城65件、群馬58件、栃木51件、静岡48件、山形と福島が各46件、大阪44件、埼玉43件と続く。直接被災地の東北6県の倒産件数は355件(構成比20.3%)だった。

 「震災関連」倒産の累計1,748件を産業別でみると、最多は宿泊業・飲食店などを含むサービス業他の462件(8月2件)。次いで、製造業が393件(同ゼロ)、卸売業が323件、建設業が214件、小売業が161件と続く。

 被害型で分類すると、「間接型」1,595件(構成比91.2%)に対して、「直接型」は153件(同8.7%)だった。8月は「直接型」が1件(岩手)発生した。(編集担当:慶尾六郎)