「2017年末までに欲しい商品」欧州では3Dプリンターが人気

2016年09月13日 08:26

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ベルリンで年次開催される世界最大のコンシューマーエレクトロニクスの見本市「IFA2016」に先立って行なわれたIFAオープニング・プレス・カンファレンスでは、現在のコンシューマーエレクトロニクス業界の状況報告が行われた。

 ベルリンで年次開催される世界最大のコンシューマーエレクトロニクスの見本市「IFA2016」に先立って行なわれたIFAオープニング・プレス・カンファレンスでは、現在のコンシューマーエレクトロニクス業界の状況報告が行われた。これから伸びる分野の予測材料として、ここで発表されたAV・通信電子機器の業界団体「gfu」による調査が参考になる。同団体により今年5月に約5000人を対象に欧州にて実施した調査、「2017年末までに欲しい商品」(複数回答)での調査結果によれば、回答が多かったものは順に「音楽ストリーミング」(25%)、「3Dプリンター」(23%)、「スマートウォッチ」(22%)、ネット接続健康機器(22%)、VRメガネ(20%)、ウェアラブル機器(20%)となった。注目したいのは2番目に回答が多かった3Dプリンターで、メーカーやプロフェッショナルだけでなくコンシューマーにも人気が出始めていること。欧州での調査内容が必ずしも国内市場と直結するわけではないが、軽視できない結果となった。

 国内3Dプリンティング市場といえば15年度については総売上額は344億8600万円と前年比成長率4.4%となっており、3Dプリンタ本体のみでみると売上額141億1100万円と前年比成長率-32.5%、出荷台数が7900台で前年比成長率-20.2%となっている。特に50万円未満のデスクトップ3Dプリンターに関しては、出荷台数が6300台と前年比成長率-19.3%、売上高で見ると9億2500万円と前年比成長率-40.9%となり大幅に縮小した。IDCはこの縮小傾向については16年以降も継続するとしている。

 IDCの予測では、15年には同じくマイナス成長となったプロフェッショナル向けの3Dプリンタに関しては製造業を中心に応用範囲を確実に広げていることから、今後5年間でのプラス成長を見込んでいる(15~20年の売上高での年間平均成長率8.0%)。14年には国内でもブームとなった3Dプリンタだが、コンシューマー向けの製品ではアーリーアダプターに行きわたった後、プロダクトが一般消費者の期待値に達しなかったため、そのまま失速したと考えられる。いっぽうプロフェッショナル向けのハイエンドな製品は製造業を中心にイノベーションを引き起こしており、これがコンシューマー向け3Dプリンターのクオリティにも影響を与えることを期待したい。(編集担当:久保田雄城)