安倍晋三総理は12日、自衛隊高級幹部合同の訓示で、現実直視の安全保障政策を目指してきたこと、今後も目指していくとの姿勢を鮮明に伝えた。ただ、抑止力向上政策が軍拡になる危険性も否めず、バランスと国会のチェック機能の強化も求められる。
安倍総理は訓示で「日本を取り戻す。4年前、こう訴えて、政権を奪還した。現実を直視した、安全保障政策の立て直しが必要である。その強い信念が、政権交代への大きな原動力となった」と語った。
そして「安倍一次政権の時、防衛庁から省への移行を実現したのも、同じ信念に基づくもの」と語った。
さらに「我が国初となる国家安全保障戦略を策定した。国家安全保障会議は戦略を一糸乱れず実行に移していくための司令塔」と語った。
また「防衛装備移転三原則の策定を始め、安全保障政策の改革は確実に前進している。限定的な集団的自衛権の行使容認を含む平和安全法制が成立し、軌を一にして、新たな日米ガイドラインも策定した」と語った。
しかし、限定的な集団的自衛権の行使容認を含む平和安全法制成立前に、限定的な集団的自衛権行使を容認しなければ実行できない『新たな日米ガイドライン』が日米間で先行して出来てしまっていた。つじつま合わせの表現と受け取れる。
安倍総理は「昨年は統合幕僚監部に部隊運用に関する業務を一元化し、名実ともに、統合運用体制が整った」とも語り「仕組みは出来た。後は、これらを血の通ったものとする。必要なことは、新しい防衛省・自衛隊による実行」と自衛隊の士気をあげた。
安倍総理は「積極的平和主義の旗を高く掲げ、世界の平和と安定、繁栄に、これまで以上に貢献していく。今こそ、実行の時」と訓示した。(編集担当:森高龍二)