親と下請の取引環境整備を強力に進める 経産相

2016年09月16日 10:47

世耕弘成経済産業大臣は15日、日本経済団体連合会、日本自動車工業会との懇談会で、親事業者による不適正行為に対して厳正に対処し、公正な取引環境を実現する取り組みを強力にすすめる姿勢を示し、協力を求めた。

 「本来、親事業者が負担すべき費用等を下請事業者に押しつけることがないよう徹底していく」としている。

 特に(1)労務費上昇分が考慮されないなどのケースが多いことから『価格決定方法の適正化』(2)量産終了後に長期にわたり無償で金型保管を押し付けられるなどの事例から『コスト負担の適正化』(3)手形などでの支払いを受ける比率が多いなどから『支払条件の改善』といった課題に重点をおいて取り組む。

 下請け事業所の従業員の賃上げも視野に入れており「サプライチェーン全体にわたる取引環境の改善、賃上げできる環境の整備に向けた取り組みを図る」ことを取り組みの基本方針に盛り込んだ。

 世耕大臣は懇談会で「未来志向型の取引慣行に向けて」と題し、これらの内容を発表、要請した。世耕大臣は日本自動車工業会に対しては「自動車産業の適正取引推進へ自主行動計画の策定、付加価値向上のための先進的な取り組みを推進していただきたい」と要請した。日産自動車代表取締役CCO兼副会長で日本自動車工業会の西川廣人会長は自主行動計画策定を行う考えを示した。(編集担当:森高龍二)