レクサス、画期的な発想のドライバーズ“シート”のコンセプトを発表

2016年09月17日 16:24

Lexus_NewSeat

9月29日からフランス・パリで開催される「2016年パリモーターショー」に、新コンセプトのシート「Kinetic Seat Concept」を出展

 トヨタはレクサスブランドとして、9月29日からランス・パリで開催されるフ「2016年パリモーターショー」に、乗員身体にかかる負担を軽減する新コンセプトシート「Kinetic Seat Concept」を出展する。

 Kinetic Seat Conceptは、長時間運転による疲労の低減や、旋回時の運転しやすさ向上を目指してデザイン・開発された全く新しい形状・機能を持つ。乗員の腰の動きに合わせてシート座面と背面が動き、歩行やジョギングに近い人体の動きをシート上で実現する。これにより、旋回時や凹凸のある路面を走行した際、乗員頭部の動きが抑制され目線が安定し、運転しやすさや快適性が向上。また、腰の動きが身体に適度な刺激を与えるため、長時間運転時の筋疲労を抑える。

 人体は、脊髄による頭部安定機構により、歩行やジョギング時であっても、骨盤と胸郭が逆方向に回転するように動くことで、頭部の動きを抑制することができる。この動きをシート上で再現するため、シート座面と背面を可動式とした。身体をシートに預けているだけで、車両に対する頭部の動きが抑制され目線が安定。乗員の負担が軽減され、運転しやすさや快適性が向上するという。

 また、変形が容易なネットが、身体の凹凸を包み込み荷重を分散することで、快適な長時間の着座を可能にする。同時に、シートの薄型化を実現し、車両の軽量化に貢献する。形状は、放射線状に広がるクモの巣パターンを採用し、背面の中心を肩甲骨の高さに設定することで、中心部を回転軸とする胸郭の動きを誘発。頭部が安定し、高いサポート性を確保しているのも特徴だ。

 背面のクモの巣パターンの裏側には、石油由来ではない環境に優しい人工合成クモ糸繊維を使用。微生物発酵によって、原料となるクモの糸の主成分であるタンパク質を生成し、紡糸・加工した新素材であり、衝撃吸収性に優れている。この新素材は、スパイパー株式会社が開発した「QMONOS」である。

 レクサスは、ユーザーの期待を超える驚きと感動を提供し続けるラグジュアリーブランドとして、創造的な先進技術を提案してきているが、今回発表するシートもその一例だとしている。(編集担当:吉田恒)