外務省が海外で活動する中堅・中小企業の安全対策を強化するための「中堅・中小企業海外安全対策ネットワーク」を今月下旬に立ち上げる。
外務省と日本商工会議所の間で立ち上げた「海外安全対策タスクフォース」の議論を踏まえたもの。外務省を中心に日本企業の海外展開に関係する日商など経済団体、日本貿易振興機構などの組織・機関が参加する。
外務省は「ネットワークで中堅・中小企業を含めた幅広い企業関係者に対し安全対策に関するノウハウはじめ危険情報、企業側のグッドプラクティスなどの情報を効率的に共有し企業側が抱える懸念や問題点が迅速に把握・解決されるようにする」としている。
今回のネットワーク立ち上げは、今年7月1日、バングラディシュ・ダッカで襲撃事件が発生し、日本人7人が殺害され、1人が負傷する事態を招いたことから、被害に遭わないための対応策が急がれ、外務省のタスクフォースが検討を重ねてきた結果を受けたもの。
タスクフォースの提言では「日本人がテロに巻き込まれるだけでなく、テロの標的にされ得ること、旅行者もテロ被害に遭う可能性があること、中東や北アフリカのみならず、先進国を含む世界各地でテロが起こり得ること」が基本認識として示された。
また「ISILの機関紙で日本人や日本権益を標的にする旨が表明されており、日本人はテロの対象となり得るし、日本人学校や一般旅行者も例外ではない」と報告している。(編集担当:森高龍二)