15年の一般用医薬品市場はインバウンド需要の好調やスイッチOTCの浸透などにより前年比4.3%増の6,414億円

2016年09月20日 07:26

 富士経済は、一般用医薬品(市販薬・OTC) 17分野74薬効の市場を2回に分けて調査した。今回は感冒関連用薬、花粉症関連、生活習慣病関連、生活改善薬、胃腸・消化器官用薬、オーラルケア、感覚器官用薬、漢方薬の8分野38薬効の市場を調査し、第1回目の調査結果とともに一般用医薬品の国内市場を総合分析した。

 それによると、一般用医薬品の2015年の市場はインバウンド需要を受けて好調だったという。2016年に入りインバウンド需要はやや失速感がみられるものの、2015年に活気を取り戻した市場を持続的成長に導くために、国内需要の開拓をはじめ参入メーカーの積極的な取り組みが進められている。2017年にはセルフメディケーション税制が開始予定であり、市場拡大への制度面での追い風が期待できるとしている。

 2015年の一般用医薬品市場はインバウンド需要の好調やスイッチOTCの浸透などにより前年比4.3%増の6,414億円となった。品目別にみると、目薬、ビタミンB1B6B12主薬製剤、鎮咳去痰剤、女性保健薬、液体絆創膏などが前年比二桁増の大幅な伸びとなった。2016年は前年比2.4%増の6,566億円と、需要拡大に向けた各メーカーの継続的な施策により、引き続き拡大が見込まれるとしている。

 2015年のスイッチOTC市場はビタミンB1主薬製剤をはじめとして、外用消炎鎮痛剤や皮膚治療薬、育毛剤、鼻炎治療剤(内服)が好調だったため前年比5.4%増の1,747億円となった。2016年は3.3%増の1,804億円とやや伸び率は低くなるものの、引き続きビタミンB1主薬製剤や鼻炎治療剤(内服)などを中心に市場拡大が見込まれるとしている。

 鼻炎治療剤(内服)は花粉症に伴う鼻炎症状の緩和に用いられるケースが多く、近年は相次ぐスイッチOTCの投入によって市場は活性化している。また、参入メーカーの積極的なプロモーション活動の効果もあって、市場規模が底上げされている。2015年の花粉飛散量は多くなかったものの、上位ブランドのリスク区分が第2類に引き下げられたことや、新商品がTVCMの大量投下により好調だったことから、172億円と市場は拡大した。2016年中は上位ブランドの中でリスク区分が第2類に引き下げられる商品があり売り上げ増加が予想されるため、2.9%増の177億円とさらなる市場拡大が期待される。

 点鼻薬は鼻のアレルギー症状に使用され、患部に直接作用するため鼻炎治療剤(内服)と比べて素早い効果が期待できる。花粉症に対する需要が大きいが、ハウスダストなどのアレルギー症状で使用するユーザーも多く、年間を通じた需要がある。 2015年は、第1類から第2類または指定第2類にリスク区分が変更された商品が店頭露出の増加により売り上げを伸ばしたことにより市場は52億円に拡大した。今後は鼻炎治療剤(内服)やアレルギー用点眼薬と合わせてアレルギー関連用薬とする店頭提案が強化されるとみられ、点鼻薬の位置付けの高まりに伴う市場の伸びが期待される。16年は3.8%増の54億円と予想している。

 抗ヒスタミン剤はアレルギーを含むじんま疹や湿疹などの皮膚疾患の抑制に使用されるが、近年は花粉症に対する需要が増えている。ただし、新商品の投入や目立った販促活動の展開はみられないため、リピーターによる安定した需要があるものの市場は停滞している。(編集担当:慶尾六郎)