「成長戦略が不発で終わっている」野田幹事長

2016年10月12日 07:13

 民進党の野田佳彦幹事長(元総理)が「アベノミクス第一の矢(異次元の金融緩和)が手詰まりになっていることは誰の目にも明らか」と指摘し、「日銀が上場投資信託(ETF)を年6兆円も購入し、株価を下支えすることは株式市場の官製市場化」につながると憂慮した。

 野田幹事長はブログで「株価は経済の実勢、先行きを反映する体温計でなければならない」とし、官製市場化により「体温計が適切に機能していなければ、処方箋も適切に出せない」と警鐘を鳴らした。そして「内閣支持率維持のために株価を吊り上げようと官製相場を演出するような異常なやり方は、いずれ市場の手痛いしっぺ返しを受けることになる」と危惧さえ示した。

 野田幹事長は「安倍政権が誕生し4年近く経とうとしている。しかし、アベノミクスはまだ『道半ば』だそう。2020年のオリンピック・パラリンピックまでの道行きを考えているのでしょうか。それとも、道筋を見失い、迷路にはまってしまったのでしょうか」と投げ、アベノミクスが標榜通りの成果になっていない最大要因は「日本経済の潜在成長率を上げていくための第3の矢、成長戦略が不発で終わっていることだと思う」と指摘し「アベノミクスの総括的検証こそ、今やらなければならない」と訴えた。(編集担当:森高龍二)