長妻昭元厚生労働大臣は12日の衆院予算委員会で年金制度について、現行制度の範囲内の微修正を続けても老後の安心は確保できないと政府に対し「今すぐ、抜本改革に取り組む必要がある」と強く求めた。
長妻元厚労相は「今年3月、生活保護に占める65歳以上の高齢者割合が過半数となった」と指摘し「年金の抜本改革をためらっていると生活保護が年金代わりになりつつある」とより深刻な事態を招くことになると警鐘を鳴らした。
また、現在、年金受給者の女性単身世帯は1カ月8万3000円以下が42.8%、男性世帯でも30.4%になっているとし、年金生活の厳しい現況も指摘した。
安倍晋三総理は抜本改革については、長妻元厚労相に「具体的な改革案を示してほしい」と逆に案を求めた。安倍総理は「自民党内でも議論してきたが、言うは易しいが簡単ではない」とも語った。
これに長妻元厚労相は「今の受給者も相当大変な状況であり、議論は待ったなしだ」と政府に改めて制度の抜本的な改革への取り組みを始めるよう求めた。(編集担当:森高龍二)