隠ぺい体質など東電への県民の不信も選挙結果に

2016年10月17日 17:16

 菅直人元総理は17日のブログで、新潟県知事選で、共産などの推薦を受け、原発再稼働に反対する姿勢を鮮明に訴えた候補が自公推薦候補に6万票以上の差をつけて当選したことについて、一因に「東電の隠ぺい体質に対する新潟県民の不信」があったとの見方を買い込んだ。

 菅元総理は「新潟にある東電柏崎刈羽原発は7基で、世界最大規模。福島のように連動して過酷事故が発生すれば新潟県は甚大な被害を受ける」とリスクの大きさを提起したうえで「東電は福島第一原発事故について、いまだに真剣に検証しようとしていない」と指摘。「当時の経営陣の政府事故調での証言のうち、吉田所長の証言以外は非公開としているなどその姿勢はあまりにもひどい」と改善するよう提起した。

 不信の一因として菅元総理は「新潟県の事故検証委員会には再稼働の了解を得たいため、東電も資料を出さざるを得ず、それまで隠された事故に関する検証が進んだ」。その結果「メルトダウンのマニュアルの存在や事故発生当日の17時15分には1時間後に1号機のメルトダウンが始まるという予測など、新潟県の検証委員会の資料から明らかになった」ことをあげた。

 菅元総理は東電について「急がれる事故対応と被害者への補償業務を考え、事故直後の破たん処理は控えたが、事故発生から5年半、東電の経営の在り方を根本的に検討すべき時期が来たように思う」と抜本的な見直しをする時期に入ったとしている。

 その際「東電という会社の救済が優先されるのではなく、被害者の救済と原発事故を絶対に起こさない体制の確立が優先されるべきだ」と発信した。(編集担当:森高龍二)