南シナ海問題「日本と同立場、安心を」比大統領

2016年10月27日 10:55

 安倍晋三総理とフィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領との首脳会談が26日行われ、南シナ海問題について、ドゥテルテ大統領は「仲裁判断が出されたので、それに基づいて話をすることしかできない。国連海洋法条約を含む法の支配の原則に従って、いずれかの時点で話をする。日本とフィリピンは同じような状況にある。フィリピンはいつも日本と同じ立場に立っているので安心してほしい。海洋問題においては航行の自由の確保が必要である」旨を述べた。安倍総理は「日本の立場に常に寄り添うことを明言いただいたことを感謝する」と答えた。

 この日、日本はフィリピン沿岸警備隊が使用する船舶2隻の建造費用やムスリム・ミンダナオ自治地域や周辺地域の民間企業や農業協同組合に対し、設備投資・運転資金等必要な資金提供を図ることで地域の平和と開発に寄与することを目的として、約214億円を限度に円借款する書簡を交わした。

 首脳会談の内容について外務省は、安倍総理から「日本はフィリピンを極めて重視しており、JICA等を通じて長年にわたりフィリピンの発展を後押ししてきた」とし「今後も特にドゥテルテ大統領が重視する海洋安全保障、テロ対策、ミンダナオ和平、長期開発計画に基づく国造り等で最大限の支援を行っていく」旨を伝えた。

 特に安倍総理は「海洋安全保障でフィリピンの能力向上を支援する」とし「大型巡視船2隻の交換公文の署名を歓迎する」としたほか「海洋安全保障対話を立ち上げ、具体的な協力について議論したい」とした。

 あわせて、安倍総理は海上自衛隊航空機TC-90の移転に向けたとりきめの署名を歓迎する旨を示し「安保・防衛協力を積極的に推進していきたい」考えを伝えた。(編集担当:森高龍二)