【今週の展望】中銀イベントも雇用統計も大統領選も結果待ち

2016年10月30日 20:20

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大統領選挙の投票日直前のFOMCに、金融政策変更を行った後の日銀会合。「たぶん何も出ない」と、ノーマークでやり過ごすことはできるか?

 新規IPOは今週2件。11月1日にバロックジャパンリミテッド<3548>が東証1部に直接、新規上場する。東京が本社で、女性向けファッション(衣料、服飾雑貨)の企画・販売を行う製造小売業(SPA)。公開価格は2000円で仮条件の下限。資金吸収金額は300億円以上。イメージの良さと裏腹に倒産が多いアパレル業界。実績が良くない東証1部直接上場でもあり不安がいっぱい。

 同じく11月1日に岐阜造園<1438>が名古屋証券取引所第2部に新規上場する。岐阜市が本社で、造園緑化工事の設計・施工・メンテナンスなどを行う。造園・緑化の専門工事業の上場は初。ユニバーサル園芸社<6061>は造園よりも観葉植物のレンタル業がメイン。身近だが知られざるこの業界に日が当たるか? ゴルフ場で潤ったのは25年以上も前のバブル時代の話。公開価格は1150円。

 海外の経済指標、イベントは、4日の雇用統計とその前座の2日のADP雇用統計、ISMの製造業(11月1日)、非製造業(3日)の景況感指数が重要。1992年の大統領選挙では、投票日直前の雇用統計で良くない数字が出た後、現職で2期目を目指したブッシュ(父)大統領が敗れている。その選挙で当選したのは民主党ヒラリー・クリントン候補の夫、ビル・クリントン元大統領だった。

 10月31日にはユーロ圏の7~9月期のGDP、10月の消費者物価指数(CPI)、アメリカの9月の個人所得・個人支出、10月のシカゴ購買部協会景気指数、メキシコの7~9月のGDP、11月1日には中国の10月の国家統計局の製造業PMI、非製造業PMI、財新の製造業PMI、アメリカの9月の建設支出、10月のISM製造業景況感指数が発表される。

 1日にオーストラリア準備銀行の理事会が開かれ、政策金利が発表される。1~2日にアメリカのFOMC(連邦準備制度理事会)が開かれる。イエレン議長の記者会見はなく、大統領選挙の投票日(8日)直前でもあり利上げはないとみられているが、例によってFOMC声明文の文面の微妙なニュアンスの重箱の隅をつつく「英文解釈」でその日のNY市場が右往左往するかもしれない。

 2日にはアメリカの10月のADP雇用統計、3日にはユーロ圏の9月の失業率、アメリカの10月のISM非製造業景況感指数、9月の製造業受注、労働生産性指数速報値が発表される。3日に英国のイングランド銀行(BOE)の金融政策委員会が開かれ、政策金利が発表される。

 4日にはオーストラリアの9月の小売売上高、アメリカの9月の貿易収支、10月の雇用統計(非農業部門雇用者数の伸び、完全失業率)が発表される。この日、地球温暖化対策の「パリ協定」が発効する。

 アメリカの主要企業の決算発表は、7~9月期決算がそろそろ終盤。10月31日にウィリアムズ・カンパニーズ、ネクステラ・エナジー、ロウズ、11月1日にエマソン・エレクトリック、ファイザー、インターコンチネンタル・エクスチェンジ、ケロッグ、エレクトロニック・アーツ、アメリカン・エレクトリック・パワー、コーチ、アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド。

 2日にタイムワーナー、エスティローダー、フェイスブック、FMC、プルデンシャル・ファイナンシャル、メットライフ、アメリカン・インターナショナルG、3日にモトローラ・ソリューションズ、シマンテック、スターバックス、アクティビジョン・ブリザード、エヌビディア、4日にNRGエナジー、リジェネロン・ファーマシューティカルズが発表する予定。

 前週末28日の終値は17446.41円だった。そのテクニカル・ポジションを確認すると、主な移動平均線は全て下に位置する。5日線は17354円で92円下、25日線は16922円で524円下、75日線は16714円で732円下、200日線は16594円で852円下にある。

 日足一目均衡表の「雲」は28日は16131~16716円で、終値17446円はその上限から730円も上にあった。今週の雲は10月31日が16266~16665円で、11月1~4日は4日間とも16538~16637円に位置し、薄くなる。今週は781~809円も下落しなければ雲にはタッチしないほど、日経平均は空高く飛んでいる。

 ボリンジャーバンドでは前週末と同様に25日線+1σ(17208円)と+2σ(17494円)の間にあるが、+2σまで48円しかない。かなり高い水準で、上値追いは望み薄。

 オシレーター系指標は、前週末と同じで「買われすぎ」シグナルが7指標中5指標で点灯し、1指標はそのボーダーライン上だった。「買われすぎ」の度合いが最も大きいのはRCI(順位相関指数)で、+95.8で買われすぎ基準の+50をはるかにオーバーし「レッドゾーン振り切れ」に近い。クルマならオーバーヒート注意。ストキャスティクス(9日・Fast /%D)も95.1で買われすぎ基準の70を大きく超えている。