【今週の展望】秋らしい値動きの小さい静かで落ち着いた週か?

2016年10月16日 20:15

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アメリカの雇用統計もノーベル賞の発表もSQも終わり、秋は日に日に深まっていく。あとは大統領候補の放言が収まれば、マーケットは落ち着きそうだ。

 今週、10月第4週(17~21日)は5日間の取引。19日にアメリカ大統領選挙の第3回テレビ討論がラスベガスで行われる。クリントン氏有利の趨勢が変わらない中、トランプ氏にとってはこれが最後のチャンス。「最終兵器」を繰り出すのだろうか?

 世界の主要株式市場の休場日は特にない。

 国内の経済指標、イベントは、特に重要なものはない。17日には9月の首都圏・近畿圏新規マンション市場動向、8月の鉱工業生産指数確報値。日銀支店長会議で黒田総裁が挨拶する。日銀から地域経済報告「さくらレポート」が発表される。19日には8月の全産業活動指数、9月の訪日外国人客数、20日には9月の日本製半導体製造装置BBレシオが発表される。21日には黒田日銀総裁が全国信用組合大会で挨拶する。

 19~20日に京都、20~22日に東京で「スポーツ・文化・ワールド・フォーラム」が開催される。スポーツ、文化、ビジネスによる国際貢献や有形・無形のレガシー等について議論、情報発信し、国際的に機運を高めるためのキックオフイベントとしての国際会議。23日は衆議院福岡6区、東京10区の補欠選挙の投開票日。

 主要銘柄の決算発表は、3月期決算大手銘柄の先頭を切って安川電機が20日に4~9月期(中間期)決算を発表する。

 17日はメタップス、東宝。18日はラサールロジ。20日はアルインコ、安川電気、KOA。21日はリコーリース、サーティワン、ジャフコなどが発表する。

 新規IPOは今週2件。

 17日にマーキュリアインベストメント<7190>が東証2部に新規上場する。東京が本社で「クロスボーダー投資」をコンセプトに企業投資、不動産投資などのファンド運用や自己投資の事業を行う。「マーキュリア(Mercuria)」は古代ギリシャの商業神ヘルメスの神託(お告げ)という意味。公開価格は1450円。

 21日にユーザベース<3966>が東証マザーズに新規上場する。東京が本社で、法人向けのオンライン業界の情報プラットフォーム「SPEEDA」、経済ニュースサービス「NewsPicks」などを運営している。公開価格は2510円。

 海外の経済指標、イベントはNY連銀、フィラデルフィア連銀の製造業景気指数、7~9月期の中国GDP、アメリカの住宅着工件数、中古住宅販売件数など、重要なものが多い。

 17日にはユーロ圏の9月の消費者物価指数(CPI)速報値、アメリカの10月のNY連銀製造業景気指数、9月の鉱工業生産、設備稼働率、18日にはアメリカの9月の消費者物価指数(CPI)、10月のNAHB住宅市場指数、19日には中国の9月の鉱工業生産、小売売上高、都市部固定資産投資、7~9月期のGDP、アメリカの9月の住宅着工件数、建設許可件数、20日にはアメリカの10月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数、9月の中古住宅販売件数、CB景気先行総合指数、北米半導体製造装置BBレシオが、それぞれ発表される。

 19日にFRBの「ベージュブック」が発表される。ブラジルで政策金利が発表される。ラスベガスでアメリカ大統領選挙の第3回テレビ討論会が開かれる。共和党幹部から総スカンのトランプ氏は、開き直ると何を言うかわからず、ますますリスキーか? それとももう観念しておとなしくなるのか? 20日にECBの定例理事会が開かれ、ドラギ総裁の記者会見がある。20~21日にブリュッセルでEU首脳会議が開かれる。24~28日に国際捕鯨委員会(IWC)の第66回総会がスロベニアのポルトロージュで開かれる。

 アメリカの主要企業の決算発表は、大手銘柄の7~9月期決算が目白押しのピークが来週まで続く。17日にバンク・オブ・アメリカ、IBM、ネットフリックス、ユナイテッド・コンチネンタルHD、18日にゴールドマン・サックスG、ジョンソン&ジョンソン、インテル、インテューイティブ・サージカル、19日にUSバンコープ、モルガン・スタンレー、AMEX、ニールセン、イーベイ、シーゲイト・テクノロジー、ハリバートン、20日にパルトG、ベライゾン、ペイパルHD、マイクロソフト、シュルンベルジェ、トラベラーズ、イリノイ・ツール・ワークス、21日にGE、マクドナルドが、それぞれ発表する予定。

 前週末14日の終値は16856.37円。前々週末7日から3.72円安いだけでほぼ横ばいの週だった。そのテクニカル・ポジションを確認すると、移動平均線は5日線だけが上にあり、25日線、200日線、75日線は下にある。5日線は16871円で15円上、25日線は16727円で129円下、200日線は16670円で186円下、75日線は16482円で374円も下にある。200日線が「地球に落ちてきた男」になったと思ったら、75日線は地底人よりも地底深くに潜行する「最底人」になってしまった。

 日足一目均衡表の「雲」は14日時点で16010~16638円にあり、14日終値は雲の上限から218円も上にある。前週は一度もタッチせず、終始雲の上にいた。今週は雲の下限も上限も上にせり上がって、上限は21日にピークに達する。下限は17、18日は16072円、20、21日は16131円。上限は17日は16712円だが、21日には16808円まで上がる。17000円台手前でウロウロしていると、わき上がる雲にひっかけられるだろう。

 ボリンジャーバンドでは、14日終値16856円は25日線-1σの16549円と+1σの16904円の間のニュートラル・ゾーンのやや上寄りにある。上にも下にも動きやすいポジションである。

 オシレーター系指標には「買われすぎ」シグナルが1個だけ点灯している。+72.7で買われすぎ基準の+50をオーバーしたRCI(順位相関指数)で、けっこうハイポジションにある。しかしそれ以外のオシレーター系指標はニュートラルなものばかり。RSI(相対力指数)は52.5、サイコロジカルラインは7勝5敗で58.3%、25日移動平均乖離率は+0.8%。7日時点では75を超えて「買われすぎ」だったストキャスティクス(9日・Fast/%D)は、1週間で59.4まで低下した。25日騰落レシオは108.4、ボリュームレシオは58.2。RCIを「狂い咲き」として除外すれば、大勢はニュートラルだろう。