「HondaJet」、米国2ルートで最短飛行時間レコードを達成

2016年11月03日 07:18

HondaJet

米国のふたつの飛行ルートで最短飛行時間記録を更新した写真後方の「HondaJet」。写真は、NAA(米国航空協会)による最短飛行時間記録公式認定証を受け取ったHACI藤野道格社長(左からふたり目)

 ホンダの航空機事業子会社「ホンダ・エアクラフトカンパニー(Honda Aircraft Company/HACI)は、米国・フロリダ州オーランドで11月1日から3日まで開催された世界最大のビジネス航空ショー「ナショナル・ビジネス アビエーション・アソシエーション(NBAA)2016」で、HondaJetが小型ビジネスジェット機カテゴリーで、米国のふたつの飛行航路の最短飛行時間レコード記録を更新したと発表。米国航空協会(The United States National Aeronautic Association/NAA)は公式に、これを認定した。

 この最短飛行時間レコードは、ニュージャージー州テターボロとフロリダ州フォート・ローダーデール間、およびマサチューセッツ州ボストンとフロリダ州パームビーチ間の航空路で達成された記録だ。NBAAの会場で公式認定証がNAAよりHACIに贈られた。

 テターボロとフォート・ローダーデール間の飛行では、現地時間で2016年4月9日の午後2時15分にテターボロ空港を離陸し、午後5時6分にフォート・ローダーデール・エグゼクティブ空港に着陸。この日は平均60ノット(時速約111km)の向かい風にもかかわらず、HondaJetはこの航路を2時間51分で飛行した。この飛行による最高対地速度は414ノット(時速約767km)だった。

 ボストンとパームビーチ間の飛行では、現地時間2016年7月19日午前7時18分にボストンのニュー・ベッドフォード・リージョナル空港を離陸し、午前10時16分にパームビーチ国際空港に着陸した。平均30ノット(時速約56km)の向かい風のなか、この航路を2時間58分で飛行した。この飛行による最高対地速度は422ノット(時速約782km)だったという。

 HACI社長の藤野道格氏は「小型ビジネスジェットの使用頻度が高いこれらの飛行ルートにおいて、高気温や強い向かい風という条件にもかかわらず、最短飛行時間記録を更新したことは、HondaJetが高い巡航速度に加え上昇・降下性能などでも優れた実用性能を備えていることを証明しています」と述べた。

 HondaJetは、主翼上面エンジン配置や自然層流翼、一体成型複合材胴体などHondaの独自開発技術の採用により、クラス最高水準の最高速度、最大運用高度、上昇性能、燃費性能およびクラス最大の室内サイズを実現した小型ビジネスジェット機。昨年12月に米国で納入が開始され、現在は、カナダとメキシコを含む北米、欧州およびブラジルを含む中南米で12のディーラー拠点を介して販売している。

 加えてホンダは、パナマに本拠を置くSYIアビエーション社と、中南米地域における新たなディーラー契約を締結し、HondaJetの受注を開始したとも発表。SYIアビエーション社は、今後、エクアドル、コロンビア、ベネズエラ、ガイアナ、スリナム、仏領ギアナを含む中南米地域のHondaJetディーラーとして、販売のほか各種のサービスやサポートを行なう。(編集担当:吉田恒)