トヨタ自動車、コメダホールディングス、KDDIは「ながらスマホ運転」を防止する取り組みを愛知県内で開始した。スマートフォンアプリ「Driving BARISTA」が活用され、「ながらスマホ運転」をしなかった走行距離に従って愛知県内のコメダ珈琲で使えるクーポンと交換することができる。
トヨタ自動車<7203>、コメダホールディングス<3543>、KDDI<9433>は愛知県における「ながらスマホ運転」による事故低減を目標とした取り組みを開始した。この取り組みは「Driving BARISTA」というスマートフォンアプリを活用している。自動車メーカー、通信、飲食が連携してアプリを活用し、交通安全の取り組みをするのは日本国内では初めてである。
「Driving BARISTA」は運転前にアプリを起動し、そのまま走行することで「ながらスマホ運転」をしなかった走行距離を計測することができる。スマホを伏せている、つまり操作していない時のみ走行距離として換算されるのである。計測された走行距離は愛知県内のコメダ珈琲で使用できるクーポンに交換できる。初回の100キロメートルで1杯、以降は200キロメートルごとにコーヒー1杯分のクーポンになるのだ。
この取り組みが行われた愛知県は非常に交通事故が多い。交通事故件数は全国1位、交通事故死者数は13年連続ワースト1位となっている。そのような中、あえて愛知県限定でこの取り組みをすることにより県内の交通事故への意識も変わっていくだろう。
また、愛知県のみならず「ながらスマホ運転」の危険性への認識はまだ不十分と言わざるを得ない。2016年8月にはスマートフォンアプリ「ポケモンGO」をプレイしながら車を運転していた徳島市内の男が死亡事故を発生させた。これは「ながらスマホ運転」で「ポケモンGO」をしていたことによる国内初の死亡事故である。この事故は女性2人がはねられ、1人は死亡、1人は重症となる悲惨な結果となった。この運転手には禁錮1年2カ月の実刑判決が言い渡されている。
スマートフォンでできることは日々増え、生活においての重要性も増してくることが予想される。その中で、車の運転とスマートフォンを切り離すためには個人のモラルのみでは手に負えなくなってくるかもしれない。今後はさらに「ながらスマホ運転」を防ぐ企業の取り組みの展開に期待が寄せられる。(編集担当:久保田雄城)