駅構内で「歩きスマホは大変危険ですのでおやめ下さい」というアナウンスを、頻繁に耳にするようになった。先月末にはJR町田駅で、ホームに向かう階段でスマートフォンを見ていた男性が、別の男性と肩がぶつかってトラブルとなり、ホームから突き落とされるという痛ましい事件も起きている。「歩きスマホ」をめぐる事故は、各路線の管理者にとって悩ましいものだろう。
マーケティングリサーチを手掛けるMMD研究所が今年10月、全国に住む、20歳以上のスマホユーザー647人を対象に調査を行ったところ、「歩きスマホ」をしていて他人とぶつかったり、怪我をしたりした経験のある人は21%で、昨年調査から4ポイント増えた。
「歩きスマホ」について聞いたところ、「日常的に操作している」が8.7%、「時々操作している」が23.6%と、合わせて32.3%の人が「歩きスマホ」をしている。年代別で見ると、「日常的に操作している」人は20代で23.2%、30代で15.3%と、若年層で多い。また、「時々操作している」と回答した20代は30.4%、30代は37.4%で、合わせると20~30代の半数が「歩きスマホ」をしている計算だ。一方で、40代以上は極端に少なかった。
「歩きスマホ」をしたことがある人を対象に、画面を見ながら歩いていてぶつかった、または怪我をした経験について聞いたところ、21.6%の人が「ある」と回答。昨(2014)年の調査と比べると4.1ポイント、2013年からは13ポイントも増加している。
どんなことを経験したか、いくつでも答えてもらったところ、最も多かったのは63.1%で「人にぶつかった」、次いで58.3%が「ものにぶつかった」で、この2つが突出して多かった。次いで「転んだ」が21.4%となっている。事故になる前の“ヒヤリハット”はさらに多いだろう。
最後に、海外で試験的に導入されている、歩きながらスマートフォンを触る人専用の歩道「歩きスマホ専用レーン」は必要かと聞いたところ、約2割が「必要」と回答した。年代別でみると、歩きスマホ経験率の高い20代では42.4%、30代でも25.2%が「歩きスマホ専用レーンがあれば……」と考えているようだ。現実的ではないかもしれないが、「歩きスマホ」悩ましい問題だ。(編集担当:北条かや)