損害保険ジャパン日本興亜<8630>とSOMPOリスケアマネジメント<8630>は自動車運転者の健康状態に起因する交通事故の防止をサポートする「健康起因事故防止支援サービス」を11月1日より開始した。企業においてこのサービスは提供される。
同サービスの具体的な内容は以下の3つである。まずはeラーニングによるインターネット学習。自動車運転に支障をきたす恐れがある病気の症状や予防法などについて学ぶことが出来る。そして次にスマートフォンアプリによる睡眠時無呼吸症候群の簡易検査。睡眠時に呼吸停止が繰り返されると身体や脳に十分に酸素が行き渡らず、大きな負担がかかることになる。その結果、日中起きている時にも眠気や倦怠感、集中力低下などが引き起こされ自動車運転に大きな影響を及ぼす。睡眠時のことなので、自分がこのような症状に陥っていることに対し無自覚な人もいるという。同サービスの簡易検査の結果は企業にもレポートされるので、症状の自覚だけでなく治療にも積極的に取り組むことができる。そして最後に、健康管理支援研修の講師派遣である。企業の管理者や従業員向けに健康起因事故防止のための健康管理法に関する講師を派遣する。自分がかかったことがあるものや、身近な病気以外はなかなか改めて知る機会は少ない。これは健康起因事故やそれに関する病気の認知を広げるという点でも貴重な講義だろう。
2016年5月3日、大阪府梅田市の繁華街で自動車が暴走し、10人もの人が死傷した。自動車の運転者は1ヶ月ほど前から複数の医療機関を受診しており、事故の原因は心疾患にあるのではないかという。このように、病気はいつ症状を表すか予測が難しい。この運転者は少し前から異変を感じていたようだが、全く突然に何らかの発作が起こる場合もある。心疾患、てんかん、脳血管疾患など自動車の運転に影響を及ぼす病気は特に突然のものが多いようだ。自動車の運転をする限り、健康起因事故を防ぐ努力が必要である。若いから、持病がないからと無関心でいると周囲を巻き込む事故を起こしかねない。改めて、交通ルールだけでなく自分の健康面も気をつけてみてはいかがだろうか。(編集担当:久保田雄城)