10月31日のハロウィンは、今年も仮装をした若者たちが街に繰り出すなど、日本各地で大きな盛り上がりを見せた。そもそも古代ケルト人が秋の収穫を祝ったのが起源となっており、近代ではアメリカで仮装した子供たちが近隣の家を回ってお菓子をもらうイベントとして根付いてきた。
ここ数年日本でもハロウィンが国民的なイベントに急成長している。その経済効果はバレンタインに匹敵する、1300億円とも言われ、今や外食産業や小売業界など、企業にとっては大きな商機となっている。大手量販店によると、ハロウィン前は仮装や装飾関連商品が売れ、当日に近づくにつれパーティに備えて食品が多く売れるという。以前は売り場の賑やかし程度だったものが、今では秋の定番商品になっている。
大きな経済効果をもたらし、楽しい気分にさせてくれる一方でハロウィンに対して懐疑的な考えを持つ人もいる。市場調査を行うクロス・マーケティングが行なった調査によると、日本国内でハロウィンが普及することに対して、「良いと思う」と答えた人が32.6%いた一方、「良いとは思わない」と答えた人が25.7%いた。良いと思うと答えた理由としては「楽しい」「季節感がある」「経済効果が期待できる」という意見があった一方、良いとは思わないと答えた理由としては「ゴミ問題や騒音などマナーが悪い」「本来の意味と違う」という意見が挙がった。
確かに昨年渋谷では多くの人が集まり、機動隊も出動。騒音やケンカなど混乱が生じ、ゴミが散乱していたという状況だった。ハロウィン対策に600万円が必要となるなど、自治体も頭を悩ましている現状がある。こうした問題が報道されるのを観て「ハロウィンは馬鹿騒ぎするイベント」「浮かれている場合じゃない」と感じる人も多いであろう。
経済効果も期待でき、何かと暗い話題が多い中、明るい気分にしてくれるハロウィンは決して悪いイベントではないはずだ。クリスマスやバレンタインのように定着させるためには、多くの人に受け入れられる必要がある。そのためには、ハロウィンに参加している一人ひとりのモラルが問われている。節度ある楽しいイベントとしてハロウィンが定着することを期待したい。(編集担当:久保田雄城)