8歳以上の高齢犬 20%が認知症の疑い

2016年11月22日 07:21

画・8歳以上の高齢犬 20%が認知症の疑い

認知症は進行性の病気。動物病院での治療は認知力の改善と進行を遅らせることだ。人と同様に発症初期に薬物治療などを積極的に行っていくことが大切だ。

 ペットも高齢化-。8歳以上の家庭で飼われている犬の約20%に認知症の疑いがあることが日本獣医生命科学大学の調査で分かった。犬の8歳は人間の50歳ほどに当たる。さらに半数が「予備軍」に該当しているそうだ。

 調査は全国の動物病院やドッグランを利用した飼い主に症状の有無を質問する形で行われ、961匹の飼い主から回答を得た。設問は「睡眠のリズム」「排せつ行動」「飼い主などへの反応」など10項目で、回答を点数化して分析した。その結果、8歳以上の547匹のうち116匹(21%)が「認知症疑い」、282匹(52%)が「予備軍」と結論付けられた。疑い例のうち獣医師が診断していたケースは17%しかなく、飼い主が適切に対処できていない現状が浮かんだ。

 症状は人間と同様だ。もの忘れや夜鳴き、家から抜け出しての徘徊などで、飼い主の手に負えなくなることも少なくない。最近では飼えなくなった老犬を世話する「老犬ホーム」や専用の運動施設も増えている。背景にあるのは医療の進歩。全世帯の3分の1の世帯にいるとされているペットのうち、8歳以上の「シニア犬」が半数以上を占めているという結果がそれを裏付けている。

 そして人間同様、犬の認知症も発症初期なら餌や生活習慣の改善で症状が治まる場合がある。運動やゲームで脳に刺激を与え、脳の老化を防ぐ働きがある専用のドッグフードを与えることで大きく改善した例もある。しかし、すべては飼い主が早期に発見できるかということにかかっている。たとえば、「夜中に単調な大きな声で鳴きだす」「円を描くように歩く」「狭いところに入りたがるが、自分で出られなくなる」「飼い主や自分の名前、習慣行動が分からなくなる」などの症状が見られれば認知症を疑ったほうがいいそうだ。ただし脳腫瘍、ホルモン疾患など認知症に似た症状を示す病気もあるため、動物病院での診断が必要だ。

犬の平均年齢は13.2歳で、25年前から1.5倍も伸びた。より長く、より健やかに生きてもらうためにも、飼い犬が急に年を取ったと感じたら早めに専門の獣医師に相談をしてみよう。(編集担当:久保田雄城)