障がい者雇用が進む中、就労可能な身体障がい者、知的障がい者の多くがすでに就労しているため、さらなる促進のためには精神障がい者の活躍推進が不可欠である。また、2018年4月には、法定雇用率の算定基礎に精神障がい者が加わるとともに、法定雇用率の一層の上昇も決定している。加えて、2016年8月に「発達障害者支援法」が改正され、就労と教育支援の強化が規定された。このような状況から、厚生労働省が毎年発表する「障がい者雇用状況」の集計結果では、精神障がい者の雇用数が9年連続で上昇。2016年11月に発表となる今年度の結果でも上昇が見込まれており、企業における発達障がい者をはじめとする精神障がい者の活躍推進は急務だ。しかし、多くの企業では精神障がい者の雇用に関してノウハウがなく、雇用や活躍が進んでいない状況である。
特に発達障がいの診断を受けた学生は5年間で4.78倍に急増。自覚がないことより支援を受けていないケースも含めるとその数はさらに多いといわれ、文部科学省による専門部署の設置や大学への助成拡大など、発達障がいのある学生向けの支援は拡大しているという。しかし、発達障がいの可能性がある学生の多くが、これらの支援を受けずに就職活動や社会人生活を始め、活動が円滑に進まないことで障がいを自覚するため、早期の自己理解や適性認知の必要性が高まっている。
総合人材サービスのパーソルグループで障がい者雇用支援事業を手掛けるフロンティアチャレンジは、2016年11月より発達障がいの可能性がある学生を対象とした就職支援の専門チームを発足し、自己理解から職場定着まで就職活動をワンストップで支援する。支援の入り口として、コミュニケーションに課題を感じている大学生向けに自己理解や適性認知を行う就労支援サービス「コミュニケーションサポートプログラム」を開始する。
「コミュニケーションサポートプログラム」は、コミュニケーションに課題を感じている大学生を対象に3日間のワークショップで自己理解や適性認知を行う就労支援サービス。「自分に自信がない」「働くイメージが持てない」「就職活動に不安がある」といった学生向けにワークや企業内の事務業務体験を通して、個人の適性にあった職場選びをサポートする。加えて、発達障がいの可能性のある求職者の自己理解支援から就労相談、職業紹介、就労後の定着支援までワンストップで全面的にサポートする他、パーソルグループ内での採用も積極的に実施する方針だ。(編集担当:慶尾六郎)