カジノ含むIR法案には断固反対 吉田党首

2016年12月02日 12:47

 カジノを含むIR(複合観光施設)推進のための「特定複合観光施設区域整備推進に関する法律案」(IR法案)が衆院内閣委員会で審議入りしたのを受け、社会民主党の吉田ただとも党首は「法案の本質はカジノの合法化で、リゾート開発を推進するところにある」と多くの問題点を指摘したうえで「本法案には断固反対とする」との談話を1日発表した。

 問題の筆頭にあげたのが「貯蓄から投資への流れがある中、一発逆転による射幸心を煽るカジノを推進することは、さらなるマネーゲームを呼び起こすことになる。ギャンブルは射幸心を煽って、勤労の美風を害するという最高裁判決(1950年11月)もある。カジノの解禁によって、国民の射幸心を煽り、勤労の美風を損い、勤勉な日本人の国民性を損ねかねない」と日本人の勤勉性を害する風潮に繋がっていくとしている。

 第2に「ギャンブル依存症や多重債務者発生が懸念される」とし「ギャンブル依存症は500万人いるとも言われ、すでにギャンブル依存症による家庭崩壊・借金地獄・自殺といった社会問題が現実にあるにもかかわらず、それらを放置し、カジノを解禁すべきというのは拙速である。ギャンブル依存症はWHO(世界保健機関)も認めている病気であり、依存症から抜けられず借金を重ね、犯罪に手を染める人も後を絶たない。カジノ解禁によって、賭博依存症患者の増大、多重債務者の発生が懸念される」と指摘する。

 また、第3の反対理由として「反社会的勢力の関与、犯罪発生、マネーロンダリング(資金洗浄)や横領、脱税など犯罪に利用されるおそれ、風俗環境の悪化、地域環境の悪化、治安悪化、過剰な広告宣伝、青少年の健全育成への悪影響、ゲームの不公正、チップその他の金銭の代替物の不適正な利用などがあげられるが、単に『政府は、必要な措置を講ずるものとする』とか、『別に法律で定めるところにより、規制を行うものとする』というだけで、具体的手当てについて一切規定しておらず、無責任」とした。

 また「カジノができる「統合型リゾート施設」が、「観光振興、地域振興、産業振興等に資する」のかどうか。かつてのリゾート開発は、大企業による地場産業への圧迫と地元企業の倒産が相次ぐとともに、全国に環境破壊と地域破壊の爪痕を残したのではなかったか。カジノを「含めた」IR施設の建設は、東京オリンピックや「国土強靭化」と並ぶ大型公共事業の一環であり、ハコモノ・ゼネコン利権につながるとともに、地域経済を破壊したかつてのリゾート開発の二の舞になりかねない」としている。

 政府・与党は、これらの懸念や指摘に的確に回答できる材料を提示することが必要だろう。IR法案に対しては民進党の蓮舫代表も1日「議員立法が野党第1党の同意のないまま審議入りした例はない」と批判するとともに「法案の柱であるカジノ施設の解禁について、国民の理解を得られているかどうか、大きな疑問だ」と大前提となる問題を提起した。(編集担当:森高龍二)