ルノーとイオングループ、協働でペット向け「ドクターカー」製作、幕張新都心に配備

2016年12月04日 12:21

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ルノー・カングーの背の高い荷室を最大限に活かして製作された日本初のペット向け「ドクターカー」。幕張新都心のイオンペット店舗「pecos(ペコス)」に併設されている24時間対応の動物病院に配備される

 ルノー・ジャポンは、イオンペット株式会社と協働でイオンモール幕張新都心ペットモールにおいて、ペット業界初の試みとなるペット向け「ドクターカー」を製作、完成披露記者会見を開催した。

 このペット用「ドクターカー」は、ルノー・ジャポンがベース車両として多目的車ルノー・カングーを提供し、そのクルマにイオンペット株式会社が医療機器取り付けや医療用器具&テントなどの架装を施した獣医師のためのドクターカーだ。ルノー・カングーの天井が高く大きな荷室と屋根には、超音波診断装置や酸素吸入設備、過去の受診記録等にアクセスできるPC、簡単な手術を行なうためのキットなどが搭載されている。また、200リッターの水タンクやシンク、施術台、車外で活動する際の天幕や横幕も装備され、小さな動物病院ほどの機能を持つ移動療養所だ。

 このドクターカーは、イオンモール幕張新都心のイオンペット店舗「pecos(ペコス)」に併設されている24時間対応の動物病院に配備され、災害発生時には、いち早く被災現場へ獣医師や動物看護師、トリミング技術者を同乗派遣し、ペットの救命救急活動やケアを行なう予定。

 また通常時は、現在イオンが千葉市などと取り組んでいる地域エコシステムの一環として、大型犬種などの往診に使われる予定だ。イオンペットは、ペット関連商品の販売をはじめトリミングなどのペット美容、動物病院運営などを行なう企業。

 発表会でルノー・ジャポン 代表取締役社長の大極司氏は、ペット産業国際見本市「インターペット」への出展でイオンペット社との関係が出来たとして、「私も犬を飼っていて、家族の一員であるペットが怪我や病気をして苦しんでいるときにどうしても救急車を呼びたくなるが、ペットには救急車がない。イオンペットさんからの提案に、真っ先に手を挙げさせていただいた」とドクターカー製作に至った経緯について語った。

 また、イオンペット代表取締役社長の小玉毅氏は、「イオンペット社着任後に熊本大震災があり、私も震災直後に現場を訪れた。現地店舗では、店内に入れないほどの甚大な被害を受けながらも、ペットフードを中心とした最小限の物資を店頭で販売した。そんな状況下、ペットが汚れてしまったのでトリミングしたい、具合が悪いので治療を、という顧客からの声があったのだが、何もできなかった。このとき、“ドクターカーを導入すべきだ”と決意した」と、ドクターカー製作の契機にあの熊本地震があったと述べた。同時に、「実際に震災現場は道路の道幅が狭くなっていたり片側通行になっていたりとアクセスに問題が多く、大きなクルマだと非常に移動が困難。コンパクトで、必要な水や酸素ボンベ、麻酔といった簡単な診療ができる機材を積むためのクルマを検討した。そのなかで、大極社長からの提案ひと声で決まった。おかげで我々の夢が実現した」とカングーを選択した理由について語った。

 日本初のペット向けドクターカーは、イオンモール幕張新都心ペットモールに配備される。(編集担当:吉田恒)