日本経済団体連合会は14日までに、グループ企業内派遣の規制を廃止するよう政府に求めた。労働者派遣法は労働市場での需給調整機能が果たされるよう「グループ企業内の派遣会社が当該グループ企業に派遣できる割合を8割以下に制限」している。
要望では「制限を設けずに積極活用することは企業・派遣労働者の双方にとって有益」と説明。
経団連は「専門知識のある人材がグループ内を跨いで活躍することはグループ全体の競争力強化に有効」としているほか「グループ企業内での派遣は派遣先の経営実態や組織事情を熟知していることが前提に、高度な就労マッチングや派遣後の就労状況の詳細な把握も可能」と利点をあげる。
また「個々の労働者、とりわけ技術者のスキルアップにはグループ内の様々な企業でのOJT等を通じた能力開発や経験の蓄積が効果的。グループ企業内であれば福利厚生施策を利用しやすいなどのメリットも大きい」とする。
経団連は「労働条件の引下げに派遣を悪用する等、悪質なグループ派遣は排除されるべきだが、グループ企業の退職者以外を派遣労働者として採用し、業務の繁閑に応じてグループ内で派遣することは適切な需給調整機能にほかならない」と制限撤廃を求めた。規制の8割との数字の根拠も「薄弱」としている。(編集担当:森高龍二)