経済的に困難な状況の子どもたちの進学を支援する「給付型奨学金制度」の設計を検討してきた文部科学省の検討チームは19日、検討結果をまとめた。進学に向けた学生の努力を促す仕組みとなる制度とし、住民税非課税世帯を対象に、大学、短期大学、高等専門学校、専門学校への進学に支援する。
各学校に1人を割り振った上で、残りの枠数を各学校の非課税世帯の奨学金貸与者数を基に配分する方法で、一定の学力・資質基準の下に給付を決める。
給付額は月額で、国公立へ自宅から通う場合には2万円、国公立に自宅以外から通う場合や私立へ自宅から通う場合には3万円、 私立で自宅以外から通う場合には4万円を給付する。また「社会的養護を必要とする学生には入学金相当額を入学時に追加給付する」としている。
また毎年度の学業状況等を確認することを前提とした上で給付を行うとしている。給付は平成30年度から本格実施することとし、平成29年度から私立へ自宅外から通う学生などを対象に一部で先行させる。
このほか、無利子奨学金の拡充や新所得連動返還型制度の導入、有利子奨学金の利率下限見直しなど奨学金制度全体の制度改善を実施することなどを盛り込んでいる。(編集担当:森高龍二)