ロボットが接客する時代へ ノジマがヒューマノイドロボットの活用実証実験を開始

2016年12月21日 07:50

 ソフトバンクのPepperに代表されるヒューマノイドロボット。すでに企業や店舗などが導入を始めている。いよいよ、ロボットと共存する時代の到来だ。そして、ロボットによる接客も始まった。今回、ノジマ<7419>と日立製作所<6501>は、日立が開発したヒューマノイドロボット「EMIEW3」を活用した小売業における接客の実証実験を、12月10日から神奈川県内のノジマ3店舗において開始する。

 今回の実証実験では、ノジマの来店者に対して売り場の案内やお薦め品の紹介といった接客を行う。ノジマと日立は、今回の実証実験に先立ち、「EMIEW3」による店舗内での対話や案内方法を共同で検討した。今回の実証実験を通じて、日本の小売業界における接客・案内サービスの品質向上を目的としたロボット活用の可能性を検討し、新たな付加価値の創出を目指すとしている。また、ノジマでは今後、ロボットを活用する店舗の拡大も検討していく。

 日立は、人と対話し行動するロボット「EMIEW」を2005年に開発し、その後改良を重ね、2016年4月に「EMIEW3」を発表した。「EMIEW3」は公共スペースや商業施設などにおいて、サポートを必要とする顧客のもとに自ら移動し、接客・案内などのサービスを通して、業務の支援を行うことを目的に開発したヒューマノイドロボットである。

 音声・画像・言語処理などの知能処理をロボットの外側で行うリモートブレイン構成を採用し、高度な接客、案内サービスの提供を可能とした。人の動作やネットワークカメラとの連携による環境認識により、サポートを必要とする利用者を見つけて自ら接客行動を開始する。また、街頭の雑音環境でも音声を認識して翻訳することにより、訪日観光客接客業務を支援する。

 また、複数ロボットを遠隔から統合的に監視・制御する運用監視システムにより、多拠点に配置された複数台のロボット間での情報共有やサービスの引継ぎを可能とする。さらに、ロボットの障害発生時には遠隔地から指示を出すことで短時間での復旧対応を実現し、サービス提供稼働を高めるという。

 「EMIEW3」は身長90cm、重さ15kgの小型軽量ボディと、人と協調して移動できる最大移動速度6km/h、15mmの段差乗り上げ機能を継承するとともに、新たに、転倒からの起き上がり機能を搭載している。(編集担当:慶尾六郎)