第2回ウッドデザイン賞は、最先端の木のクルマ。「木のある暮らし」を再発見

2016年12月23日 19:26

Toyota_SETSUNA

栄えある第2回ウッドデザイン賞・農林水産大臣賞(最優秀賞)に輝いたのは、トヨタ自動車のコンセプトカー「SETSUNA」

 12月8日、東京ビッグサイトで開催された「エコプロ2016」会場において、今年度のウッドデザイン賞の表彰式が執り行われた。

 ウッドデザイン賞は、木の良さや価値を再発見させる製品や取組について、特に優れたものを消費者目線で評価し表彰する新しい顕彰制度で、今年で2回目の開催となる。

 今年度の応募作品の総数は451点。木を使って暮らしの質を高めている「ライフスタイルデザイン部門」、木を使って人の心と身体を健やかにしている「ハートフルデザイン部門」、木を使って地域や社会を活性化している「ソーシャルデザイン部門」の3部門で公募され、書類による第一次審査、審査委員会による第二次審査を経て、251点が受賞した。さらに受賞作の中から25点が、農林水産大臣賞(最優秀賞)、林野庁長官賞(優秀賞)、審査委員長賞(奨励賞)などに選ばれた。

 栄えある第2回ウッドデザイン賞・農林水産大臣賞(最優秀賞)に輝いたのは、トヨタ自動車のコンセプトカー「SETSUNA」。同作品は、なんと車全体が木で作られている。同社曰く「歳月を経て変わることを愛でる」を、木を用いて具現化した車で、多様な樹種と日本古来の伝統技法などが取り入れられている。木の温もりや可能性を感じさせる作品であるのはもちろん、新しさだけを追い求める工業製品の在り方にも一石を投じるものとなっている。

 また、林野庁長官賞(優秀賞)には、地域材を医療施設の柱や梁に流用する、北海道の産学官連携「病院木質化プロジェクト」((株)ハルキ、札幌市立大学看護学部、北海道渡島総合振興局産業振興部林務課、パワープレイス(株)、(株)セントラルユニ、(株)アイ・ピー・エス技術・研究分野)や、家具用としては不向きとされていた杉などの軟質針葉樹を独自のロールプレス工法で成形して丈夫な部材をつくる世界初の技術、天童木工の「Roll Press Wood」などが選ばれた。

 もちろん、木造の建築物も多数受賞している。医療法人社団中郷会、新柏クリニック、竹中工務店らの「カラダの浄化だけでなくココロの浄化もできる『森林浴のできるクリニック』」をテーマにした「新柏クリニック」や、アキュラホームによる「木造軸組み工法」を用いて、一般流通材と一般加工・施工技術で建てた日本初の中規模3階建て木造建築「住まいと暮らしサロン」など、木造建築物と一口にいっても、バラエティに富んだ作品が受賞している。

 木造住宅の歴史をもつ日本は、他国に比べても木材を積極的に利用してきた文化を持っている。しかし、近年は生活も欧米化され、木は石に取って代わられるようになってきた。でも、受賞作品を見ると、「木のある暮らし」にはまだまだ、大きな可能性とポテンシャルが秘められていることが感じられる。ウッドデザイン賞がこの先10年、20年と継続されて世間に浸透してくれば、日本人が木のある暮らしを再発見し、日本にまた新しい木の文化が生まれるかもしれない。(編集担当:藤原伊織)